京都から素晴らしく綺麗で美味しい筍を頂きました。さすがに孟宗畑で手間を惜しまず育てられた筍は、生えたい放題に伸びてくる田舎の筍とは品が違います。先月の30年ブログ「警告!おまんらあ、まっことコレ以上は許さんぜよ!」という穏やかでないタイトルで竹林の獣害の事をお話しさせてもらいました。
イノシシや鹿に食い荒らされるのは京都でも同じことではないかと思いましたが、このような丸々とした筍を生産される竹林は厳重に管理されイノシシ対策などもきっと万全なのだと思います。そもそも京都の竹林近くは宅地化が進み、それが返って功をなして獣たちが近づかなくなっているとも聞きました。
友釣りという鮎の縄張り意識を利用した釣りの方法があります、琵琶湖の鮎と高知の鮎では性格が異なり釣果に影響するそうです。鮎でさえそれですから、もしかしたらイノシシの気質も土佐と京都では違っていて上方は田舎のように荒々しい真似はしないのかも知れません。(笑)
さて、土佐山田町、香北町、物部村が合併し出来た香美市は高知市東北部から徳島県境までの広い山間部を有する地域です。先日この香美市でイノシシや鹿肉を食する機会がありました。
「ジビエ」という言葉をよく耳にするようになって久しいですが、この地域には何と現役猟師が160名もいて、自分達の年代なら20歳になったら猟銃を撃つのが普通の事だったという自分の知らない猟師文化のようなものが息づいていました。地元の有名店舗の店主主催だからかという事もあるし、自ら撃って自分でさばいて食するという事が日常になっている事もあるのか、普通の民家での集いなのに驚くほど沢山の方がやって来られて賑わっています。
ジビエも人気のようだし猟師さんもこれだけいるのなら虎竹の里にもイノシシ退治に来てもらいたいものだと単純に思いました。しかし、その土地の山々を知り、そこにいる獲物を知らないと簡単に倒せる相手でもないようです。また鉄砲で撃つと玉の当たった周辺は熱で焼けたり、金属片が入ったりして食肉とはならないので罠で獲ることも多いそうですが広く深い山々のどこに仕掛けるのか?考えると非常に大変な労力です。
そんな事があってすぐにタイミング良くたまたま観ることができたNHKドキュメンタリー、ノーナレ「けもの道 京都いのちの森」。京都北部の山々でイノシシ猟をされている方が登場されています。わずか直径12cmの罠で猪を仕留める罠猟師に密着した生々しい命のやり取りの番組を拝見して、害獣駆除と一口に言っても地域に根差した猟師さんがいないと難しい事、そして先日いただいたジビエも同じように山の命を頂いているのだとつくづく感じました。
番組の中では罠にかかった獲物が痛さに悲鳴を上げていました。急いで駆け付けてナイフで命を奪うシーンは、まさにこの集いで猟師さんから聞いたばかりの話しでしたのでそれを実際のテレビ画面で見て思うところは多かったのです。
しかし、悲鳴をあげているのは虎竹の竹達も同じこと。自然のバランスが崩れた時、人の力など無力なのかも知れません。