「まっこと、コレ以上は許さんぜよ」と竹虎四代目が怒っていますが、その指は虎竹の里の山々を指さしています。一体何を指しているのかといいますと、実はイノシシ君たち。
イノシシ君たちと可愛く話してますが実際のイノシシはかなり怖いです。シマシマのあるウリ坊ぐらいですと、しばらく眺めていたいくらい愛らしいものですが大きくなったイノシシが数頭歩いていると、まるで「もののけ姫」に登場するイノシシのように迫力があります。
日本三大有用竹と言われる孟宗竹、淡竹(はちく)、真竹の順番に筍を出すのですが、一番最初に生えてくる孟宗竹がこの通り!虎竹の里では孟宗竹は本当にわずかしか植えられていませんが、辺りを掘り返して筍を食い荒らしているのです。
人間でも早堀り筍など、そうそう食せないのにグルメだねえ...などと悠長な事は言うてられません。嗅覚の鋭いイノシシは熟練の筍職人のように生えてくる筍を見つけるのです。
もちろん、土中の筍だけではなくて頭を出して伸びようとしている筍も無残に先端を食いちぎられていたりします。いくら孟宗竹が増えて困っていると言いましても、このように土を掘り返し、食い荒らされている様子には我慢できません。
しかし、困るのはこれからです。孟宗竹の筍に遅れて今度は虎竹の筍が生えてくるのです。虎竹の筍は孟宗竹に比べて小さいので、そこまで探し回って食することもなかったようですが近年はイノシシの数が増えたせいか虎竹の筍も食害に遭っているのが目立つようになっています。
山の職人によるとイノシシが遊びで筍を折っているという話を聞きました。本当だろうか?と思っていましたが、昨年虎竹の林で押し倒して折られた筍を見つけて少なからずショックだったのです。どこにも食べた跡は残っていませんでしたので、確かに食べたくて折ったのではないようです。
それなら何故折るっ!?
まっこと、今年もこんな様子なら承知せんぜよ!と思っています。
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