スズ竹の背負い籠というのは、かなり珍しいものではないかと思います。細い竹ですので編まれるのは市場籠や椀籠の他にはザルや弁当箱など小さな竹細工が中心なのです。少し前までは行李なども編まれていましたが今では職人さんの高齢化と共に製造される事は少なくなっています。
しかし考えてみれば、これだけしなやかさと丈夫さを兼ね備えたスズ竹です。大きな竹籠にしてこそ本来の力を発揮できますので、背負い籠のような重たい荷物を運ぶ用途に使われるのはごく当たり前の事なのです。
触った感じの質感も、背負ってみた重量感でもゴザ目編みだけでも堅牢この上ない籠だと思うのですが、更にこの籠は二重編みときています。竹ヒゴを三本ならべて六ツ目編みで籠全体を包み込んでいます。
底部分もこの通り、本当に長く使うために強く、強くと考えられて完成した形。ハチ巻のようにも見えるのは、丸底の籠を置いた時の安定感があるように付けられたスズ竹製の足なのです。
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