社会福祉法人ねはんの会理事長であられる土居瑞先生が第二十五回高新大賞を受賞されました。知的障害者の自立、支援に長年取り組んで来られた先生と竹虎とは竹虎二代目の頃からお世話になっていて竹の端材を使った細かな作業などで、ずっと助けて頂いてきました。
昔から竹は日本人の暮らしになくてはならない物でありましたが、その社会的地位は低かったためか弱者を放っておけない竹虎の社風を子供の頃からそれとなく感じてきました。祖父が障害をもった皆様の何かお役にたてる事かあればと親身になっていたのも竹を取り巻く環境が、土居先生の取り組む課題に重なる所があったからかも知れません。
個人的にも、竹の仕事が斜陽化して一番のお得意先がなくなるなど激変する業界にありまったく将来を感じる事のできない時に希望の光を見せてくれた恩師でもあります。どういう訳か自分のような田舎の小さな竹屋の話を聴きたいと北海道から沖縄まで全国100カ所で講演させて頂く機会がありましたが、その中で竹に向き合う姿勢を一変させてくれたお客様の話をしてきました。実はそのお客様こそ土居先生であり、ずっと心のどこかにいる方のお一人なのです。
御年90歳にしてますます元気、ハツラツとした姿は使命感そのもの。座右の銘である「生涯現役」「余生はなし」に見習い、自分も命果てる瞬間まで竹と共にあることを誓っています。
春野町ある知的障害者通所更生施設「涅槃の家」には涅槃の家の歌がありますが、その歌詞の中には「竹」という言葉が二カ所も出てきます。竹は、どのような環境にあってもスクスクと逞しく育ち、わずか3ヶ月で親竹と同じ背丈に成長します。その天を目指して真っ直ぐに伸びていく姿、そして、地中ではそれぞれの竹が地下茎で仲良く皆と手を繋ぐ助け合いの心を全ての皆さんに持って欲しいとの願いを込められているのではないかと思うのです。
先生が竹を愛し、竹虎を数十年に渡り可愛がってくれる理由は竹の生き様にあります。それにしても土居先生を見ていると自分が燃え上がり明るくできる世界は思うより広く、その光は遠くまで届くものだと感じます。
今回の受賞をまた励みにされて100歳めざして頑張る土居先生まっことおめでとうございます。
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