潤沢な竹資源を活用するタイ国

 
ティラポンさん、竹虎四代目


昨年の全国竹の大会高知県大会で再開させて頂いたティラポンさんには、虎竹の里にもお越しいただいておりました。そして、今度は自分がタイに行くと言う約束をしましたが、自分は竹に関しては社交辞令は一切なしです。行くと言えば行くのですが、ティラポンさんには何から何まで本当にお世話になりました。


タイには王室があり、国内に潤沢な資源としてある竹を活用せよというのは前国王からの言葉だと言われます。国をあげての竹への取り組みが、どのような物なのか?この目で確かめたかったのです。


タイの竹工房


元々国営銀行のトップをされていた方が、どうして竹に関わりタイ国内の大学の教授方達まで引率されて例年のように日本の竹大会に参加されたり、虎竹の里にやって来られるのかは現地の竹事情を見て納得するところがあります。


タイの竹細工工場


竹の多い農村部では組織だった竹の活用が非常に盛んで、支援の体制が充実していました。


タイ、竹虎四代目


ティラポンさんの全土に広がる人脈のネットワークで何処に行っても歓待いただきましたが、田舎に行けば行くほど、内職のおばちゃん達の所に来たかのような気持ちになります、実直でまじめな人柄なのか仕事場の空気感が良いのです。


タイの緻密な竹細工


日本人に近い感覚は手技の世界でも感じていて、驚くような精巧なミニチュアの竹籠がありました。この細やかな竹細工の技を間近でみた日本の竹作家が、繊細な編み込みでは勝てないと以後緻密な作品を創作しなくなったという逸話もあるほどです。


タイ、竹虎四代目(山岸義浩)


国や行政も含めて熱心に竹に取り組く姿勢も凄いですし、このような竹を中心としたコミュニティが近くだけでも100カ所もあると聞くと圧倒されてしまいます。


タイの竹材


わずか3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長する無限の天然資源が良質であり、竹細工に適している竹材という事は鬼に金棒なのかも知れません。


タイの竹材、竹虎四代目


淡竹である虎竹は節間が短いので材料選びに苦労していますが、タイの竹の節間はなんだろうか。前国王の言葉は、すべての面において的を得た的確な指摘だったのです。


竹虎四代目(YOSHIHIRO YAMAGISHI)


さて、タイでお土産に頂いた美しい生地やスカーフ、ショルダーを身につけてみました。メコンウィスキーも有名らしく日本に持ち帰るのには最適との事でいただいたのです。どこかの怪しい僧侶のようにもなりましたが、先のタイでの人の温かさを思い出します。


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