自分の大好きな歌のひとつに北島三郎「与作」があります。この歌の歌詞をご存じ無い方はあまりいないかも知れませんが、与作は木をきるヘイヘイホー、ヘイヘイホー♪で始まる名曲です。カラオケで唄うには非常に難しく、北島三郎でないと歌いこなせない等という話はおいておいて、この歌の舞台を少し考えてみたいのです。
高知は日本の中でも一番の森林県ですが、この「与作」の歌の頃は山林が大きな財産であった時代があり、山が賑わい、山が華やいでいた時だと思います。山深い町にも想像も出来ないような大きな旅館があり、歓楽街があり、映画館、学校、商店がありました。今ではその痕跡を見て、当時を偲ぶしかないのが少し寂しくもありますが山の活気がすっかり無くなってしまった訳ではありません。
いつもは静かな山々、小鳥の遊ぶ声と谷川の水音だけしか聞こえない山道を登ります。右手の遠くから竹の枝を掃う音、チェーンソーや車のエンジンの音とは違って昔から変わることのない何とも和む音、人の息づかいを感じるような音です。
山に人が集まり暮らしていた遠い昔と比べると本当にささやかではありますが、この時期には虎竹の里は「与作」の山になります。来年も同じように思えるのか、その次の年はどうか、その次は...。ずっと挑戦が続いていきます。
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