竹は生まれながらに筒状になっていますので、節を残して切ればそのまま湯呑として使う事ができます。自然のままの形が最適であるにもかかわらず、その実あまり製品として目にする事がないのはその素材の扱いの難しさにあります。
竹を丸竹のまま使用して一番のリスクになるのは「割れ」です。竹は維管束(いかんそく)と呼ばれる細かい組織が一本の竹を縦に貫いており、その密度が竹表皮部分では濃く、内側になるにつれ薄くなっています。その差が乾燥時の収縮率の違いとなって竹が耐え切れなくなった時に割れとなって表れます。
透明の塗料でも塗っているのですか?と聞くお客様もおられるほど竹表皮は綺麗に磨かれています。竹特有の縦縞模様も美しいのですが、こうして表皮を削り身の部分を薄くすれば割れのリスクはほとんど無くなりますので加工済の竹ビラグラスや竹タンブラーが乾燥などで割れることはまずありません。
ただ、やはり自然素材で個体差があり時間の経過と共にプラスチックのように軽くなるものもあれば、製造時と比べて若干軽くなる程度のものもあり、おのずと耐久性にも違いが出てきます。
天然の竹そのままを削った製品ですので、扱いは多少面倒な部分がありますが口を近づけた時、ほのかに香る優しい竹の甘さが大好きでたまに手に取っているのです。
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