時に版画は写真やリアルな描写の絵にも増してその本質を表現するものだと思いますが、200種類以上もあると言われる竹編みや、様々な竹籠、竹ざる、竹職人、製造工程などを木版画にされている倉富敏之先生の作品は本当に凄みを感じます。
工房には今まで創作された数々の版画が並んで壮観なのですが、倉富先生の木版画はアート作品としてだけでなく日本の竹文化の研究資料としても後世に残していかねばならないものばかりです。
ご自身の作品を飄々と説明されていますが、竹という難しい素材、複雑な編み方、籠や笊、花籠などの竹細工を全て木に手彫りして白黒だけで表現されている技術は天才的といか言いようがありません。
一級品の資料としての素晴らしい価値があると言いますのも、ご自身も竹作家として長年竹に携わられ、その中の活動で竹を深く深く探求されてきた倉富先生の情熱の賜物です。
そんな先生の展示会が広島県福山市のギャラリア風の巣さんで開催されています。
はじめて竹冠の文字の版画を見た時にはビックリして動けませんでした。一面びっしりと竹冠なのです、これは製作された方にお会いせねばと心に決めました。あの感動を一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。
「竹」+「二人」=「笑」
竹冠で一番好きな文字です。
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