休日の竹虎工場にて2018

休日の竹虎工場


誰もいない静かな竹虎の工場を一人でいると色々なアイデアが沸いてくるので好きなのです。長尺ものの竹を立てかけて保管するために高い天井にした工場は自分が入社した翌年に完成しましたので、ちょうど社会人としての自分と共に歩んできました。思えば同級生のようなものぜよ。


新虎竹2018


一際存在感があるのは新竹を立てかけている一角。竹伐採は今月末までですので、まだ竹も少ないものの油抜きをしたばかりの竹は、やはり迫力が凄い、生命力と覇気にあふれている気がします。


虎竹の里を飛び出して活躍したくてウズウズしているような気がします。「虎」を名前に冠した竹です、「虎は千里往って千里還る」と言う言葉がありますが、いつも思い出すのです。


竹虎工場


工場に来られた方々は、こんなに沢山の竹など見た事もないと言われますが、その通りだと思います。竹は根から稈、枝、葉にいたるまで全てを有効活用できる素晴らしい素材であり、どのような品質の竹であっても、一本の竹がすべてが使えることを前提として成り立ってきた仕事です。


竹虎工場


これらの竹材は新しいものばかりではなく古いものも多くあります。虎竹にも一等、二等と品質があり、部材によっても使用頻度に大きく差があり足りない素材と、余ってしまう素材ができているからです。


在庫として積み上げられる竹材は種類、太さ、長さ、節間などにより様々な商材に使われますが、これらを見るだけで竹製品の移り変わりが分かるようです。これからは、もっと一つの竹細工の後ろにある景色をお伝えせねばなりません。それが付加価値というものだろうと、竹の微かな甘い香りを感じながら思っています。


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