青竹踏みの動画が出来ました、ご自身にピッタリの一本をどうぞ。

青竹踏み


青竹踏みの事をお話しする機会が多いのですが、これほどシンプルに竹の持ち味を活かした健康グッズであるのに今の日本ではついつい忘れられそうになっているという事に危機感を覚えて以来できるだけ製作して一人でも多くの方にお届けしたいと考えているのです。


何やら昔からある生活に密着してきた竹文化の代表選手のようにも思いますし、若い世代にとりましては、これほどハードルの低い竹商材は他にはありません。今回は青竹踏みの動画が、一気に4本も出来あがりましたので皆様にご紹介させていただきます。


決定版!青竹踏みの使い方。これであなたも竹踏み名人♪


青竹踏みの使い方も知っているようで知らない事もあったのではないでしょうか。竹を半割しただけの本当に簡単なものではありますが、使い方もいたって簡単、それでいて効果テキメン!忙しい現代人にも「ながら踏み」できるので本当にオススメながぞね。


忙しいあなたにオススメ!TPOに合わせて「ながら踏み」できる青竹踏み


一般的な青竹踏みの入門タイプから、カビや防虫効果の高い炭化タイプ、細身の強力タイプ、携帯タイプ、更にイボ付タイプまで、竹踏みと言っても老舗竹屋の竹虎ならではのラインナップに驚かれる方もいるかも知れません。


こんなにある!青竹踏みの種類。さすが老舗竹専門店。


しかし、これだけではありません。更にレアな、ちょっと危険な香りがするほどの超強力青竹踏みまでありますので、竹の世界といってもそんなに簡単なものでは無いのです。まずは動画をご覧いただきご自身にピッタリの青竹踏みをお探しください。


痛いっ!超強力青竹踏み、ご注意ください。これが竹虎四代目スペシャル!


倉富敏之先生、木版画展「竹づくし」

倉富敏之先生の木版画


時に版画は写真やリアルな描写の絵にも増してその本質を表現するものだと思いますが、200種類以上もあると言われる竹編みや、様々な竹籠、竹ざる、竹職人、製造工程などを木版画にされている倉富敏之先生の作品は本当に凄みを感じます。


倉富敏之先生工房


工房には今まで創作された数々の版画が並んで壮観なのですが、倉富先生の木版画はアート作品としてだけでなく日本の竹文化の研究資料としても後世に残していかねばならないものばかりです。




ご自身の作品を飄々と説明されていますが、竹という難しい素材、複雑な編み方、籠や笊、花籠などの竹細工を全て木に手彫りして白黒だけで表現されている技術は天才的といか言いようがありません。


倉富敏之先生、木版画展「竹づくし」


一級品の資料としての素晴らしい価値があると言いますのも、ご自身も竹作家として長年竹に携わられ、その中の活動で竹を深く深く探求されてきた倉富先生の情熱の賜物です。


倉富敏之先生、木版画展「竹づくし」


そんな先生の展示会が広島県福山市のギャラリア風の巣さんで開催されています。


倉富敏之先生、木版画展「竹づくし」


はじめて竹冠の文字の版画を見た時にはビックリして動けませんでした。一面びっしりと竹冠なのです、これは製作された方にお会いせねばと心に決めました。あの感動を一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。


「竹」+「二人」=「笑」


竹冠で一番好きな文字です。


青竹酒器、盃の青さについて

青竹酒器、青竹盃


日本の竹には孟宗竹、真竹、淡竹という3大有用竹というものがあり一般的に「竹」と言えばこの3種類の中のどれかを指しています。呼び名が違うので少し分かりづらいかも知れせんが、この中の真竹はいわゆる青竹の事で竹なら全てがこのような気持ちの良い青さをしてる訳ではなく真竹特有の肌色なのです。


ただ、この青竹の色合いの鮮やかさは本当に儚い命、だからこそ美しいとも言えるのですが長くこの色を保つことはできません。この色合いをそのまま保つ事ができれば、どれほど良いだろうか?昔からこの青さを長期間にわたって保つ方法を沢山の方が模索してきましたが実現されていません。


なので青竹酒器やお猪口として製品化する場合についても、まるで生鮮食品のような取り扱いをしており、伐採、加工してものはその日のうちにお客様にお送りさせていただきます。予約販売とさせてもらっていて、お届けまでに時間がかかるのも注文ごとに竹材を伐らねばならず天候や仕事の段取り、あるいは竹林によって適材が入手できない事があるからです。


お使いの予定日に余裕がないとお届けできかねる青竹お猪口も、このように色合いの管理が大変なので本来は一回限りしか使用されない贅沢な品という事になります。しかし、飲食店やホテル、旅館さんではさすがにこれでは高価すぎで使う事はできません、何度か使用する場合には冷凍庫に保管して数回はお客様にお出しするようにされている所もあります。さすがに時間が経つと色合いは無くなり、元の若竹のような感じではなくなっていますがそれでも自然の竹に入ってくる日本酒というのは目にする機会も少なく有難く思います。


容量的には、もう少し入るものが多いのですけれど自然の竹の形は一定ではありませんので余裕をみて青竹お猪口が直径約6センチ、高さ7センチ程度で50ml~100mlくらいの容量記載とし青竹酒器の方は同じく直径約6センチで高さが35センチくらいありますのでが容量的には250ml~300mlとさせてもらっています。


使い込まれた竹ヒゴ取りの機械がやって来た

休日の竹虎工場


竹笊や竹籠をご覧になられていたお客様から「これは機械で編むのですか?」という質問をいただく事があり少し驚くことがあります。しかし、一度や二度ではないので結構多くの方が細かい仕事なので、ある程度機械化が進んでいるのではないかと疑問に思われている事なのかも知れません。


竹の湯抜き機械


竹素材一本、一本が太さも形も材質も違うものなので竹製造で機械化できている工程は素材加工の部分で本当に簡単な道具ある程度です。職人の補助的に使われている少し珍しいモノで、熱湯で油抜きをする時に拭き上げる機械などもあります。




竹割には、このような一人で使う小型の機械から、かっては色付きの良くない虎竹の多くは3メートルの長さに切断して壁竹用に割っていましたので三人がかりで使うような大型の割り加工機械までありました。


竹ヒゴ取り


竹編みをする場合に丸い竹を細く割って竹ヒゴ取りをせねばなりません。この竹ヒゴの工程に多くの時間と労力がさかれるので、効率化を求めて長い竹ヒゴの厚みを薄く剥いでいく工程には動力を使った機械が作られています。


竹のヒゴ取り機械


この竹ヒゴ取りに使う機械というのは竹細工が盛んだった一昔前に別誂えで製作されたものです。先日竹虎の工場にトラックで運ばれて来たのも、もちろんご覧になられてお分かりのように使い込まれたものばかり、実は昨年廃業した竹工場から引き取らせてもらった機械達なのです。


特殊な竹加工機械であり他に活用される所もありませんので、引き取らせて頂く事は以前からボツボツとありましたがここ数年特に多いように感じています。日本の手仕事の空洞化は想像以上に進んでいますが、そんな側面がこの機械達でも分かるのです。


どうなる?第11回世界竹会議(World Bamboo Congress)

世界竹会議、竹虎四代目(山岸義浩)


実は昨年の8月からずっと懸案事項となっていることがあります。3年に一度、世界各国で開催され竹関係者が一堂に会する世界竹会議(World Bamboo Congress)の事です。


今年の第11回大会は8月にメキシコはXalapa(ハラパ)という町で開催されますが、竹のオリンピックともいうべき会議です。竹は地球上の熱帯、温帯地域を中心に広く分布していて、その加工性の高さから人々の身近にあり愛されてきた歴史は共通です。しかし、そんな中でも竹がイネ科であるというのが最大注目点です。四季のあり美味しいお米の収穫される、この日本の風土が竹の成育には一番適していて最高の品質の竹が生まれると思っています。


そんな竹の国、日本を代表させていただくするのなら日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」は必ず持って行って世界の皆様方にご覧頂きたいと考えているのです。ところが日本国内からメキシコの港までの輸送は何とか段取りができそうなのですがメキシコ国内の輸送が少し複雑なようで、昨年の夏から運搬が可能かどうかすら分からない手探りの状態が続いているのです。


日本唯一の虎竹自動車「竹トラッカー」


世界竹会議には様々なテーマがありますが、継続利用可能な唯一の天然資源と言われる驚異的な成長力を持つ竹の可能性を世界規模で考えていくことが基本にあるのではないでしょうか。


温暖化が言われて久しい昨今、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「脱炭素」社会に向けて世界が動き始めています。北極の氷の話しなど何度か聞く機会はありますが、地球規模の変動など大きすぎて自分事として捉えられない方も多いかも知れません。自分も虎竹の不思議な虎模様が年々色づきが芳しくないという目に見える変化を感じるまではそうでした。


虎竹の里の竹文化は文献の残っているだけでも江戸時代にさかのぼり土佐藩山内家へ献上されてきた歴史があります。竹虎がこの不思議な竹と出会って100年、温暖化の影響により初めて体験している虎竹の変化を虎竹で製作した電気自動車「竹トラッカー」を疾走させて世界に伝えたいのです。




「竹の強さ」根曲竹の靴ベラとステッキ

根曲竹ロング靴べら


根曲竹は文字通り根に近い部分が腰が曲がるようになっていて、それが雪に鍛えられたからと言うのが納得できるほど強い竹素材なのです。そして、この特有の曲がりを上手に活用して作ったロング靴ベラ、本当に秀逸でこの曲がりがあるお陰でカカト部分に楽にスルッと虎竹の先端が入り込みます。使いやすさ、快適さに嬉しくなるほどですが、ただ強くて耐久性が高いという事ではなく「竹の強さ」だから魅力的なのです。


根曲竹ステッキ、竹虎四代目(山岸義浩)


同じ根曲竹で製作されたステッキがあるのです。残念ながら今では作られる事もなくなっている製品ですが、これを持って散歩に行くと、その軽さ、細さ、手触りの良さ、抜群の使い心地の良さでありながら信じられないほどの丈夫さです。やはり感じるのは「竹の強さ」、100%の安心感と共に微妙なしなり、優しさがあります。こんな素晴らしい素材に変わるものなど、この世にあるのだろうか?


もし、何かあれば田舎者の自分に教えて欲しいくらいです。いやいや、しかし、いくら世界が広いと言っても、これほど満足して持てる物は恐らくないと思います。そんな事を考えると嬉しくなって、ついつい踊りだしてしまうのです。


踊る...と言うのはさすがに言い過ぎました、しかし、堅牢さ本物です。


送料改定と、ゆうパックさんへの移行

竹トラッカー、竹虎社員、竹虎四代目


昨年よりクロネコヤマト便はじめとする運送会社の話題があったかと思います。運送業界の人手不足の問題や配送件数の増加にともなってクロネコさんの場合は27年ぶりという価格改正が行われました。当社もクロネコヤマト便さんとは数十年来のお付き合いがあって、このような不便な田舎ではありまずか、こだわりの竹製品、竹細工を大事に皆様のお手元までお届けいただいて来ましたので本当に助けて頂き感謝しているのです。


しかしながら全国的な運賃値上げは、いよいよ社内努力での現状維持が困難となってきました。誠に恐縮ながら来月2月1日のご注文より送料を変更させて頂く事にさせて頂きます。今までは全国一律で650円(税込)でお送りさせてもらっていましたが全国一律800円(税込)、そして北海道、沖縄につきましては1,500円(税込)の送料を頂きます。


北海道、沖縄の皆様には高額な送料となり心が痛みますが飛行機や船を使っての運送となりますので、どうしてもこのような運賃となりますことをご理解いただきますことお願いいたします。


また、沢山お求めいただく方には少しでもサービスをさせて頂きたい気持ちから10,800円(税込)以上のご購入につきましては送料無料とさせていただいておりましたがこれも、21,600円(税込)以上のご購入で送料無料に改正させていただきます。


そして、クロネコヤマト便さんでの配送を長くお願いしておりましたが、この機会に全国的に配送が整い確実なお届けができるようになりました「ゆうパック」さんでのお届けに変更いたしたいと考えております。


虎竹の里


今年で124年になります虎斑竹専門店 竹虎は、日本唯一の虎竹の産地にあります。江戸時代の土佐藩政時代から珍重されてきた地域の宝とも言うべき竹を守り、この竹を育んできた地域を守るのが自分達の大きな役割です。


送料改定で皆様にはご迷惑をお掛けいたしますが、今まで以上に全社が一丸となり皆様にとって価値のある「竹」をお届けできるように頑張っていきたいと思っているのです。


竹虎2018(TAKETORA)


休日の竹虎工場にて2018

休日の竹虎工場


誰もいない静かな竹虎の工場を一人でいると色々なアイデアが沸いてくるので好きなのです。長尺ものの竹を立てかけて保管するために高い天井にした工場は自分が入社した翌年に完成しましたので、ちょうど社会人としての自分と共に歩んできました。思えば同級生のようなものぜよ。


新虎竹2018


一際存在感があるのは新竹を立てかけている一角。竹伐採は今月末までですので、まだ竹も少ないものの油抜きをしたばかりの竹は、やはり迫力が凄い、生命力と覇気にあふれている気がします。


虎竹の里を飛び出して活躍したくてウズウズしているような気がします。「虎」を名前に冠した竹です、「虎は千里往って千里還る」と言う言葉がありますが、いつも思い出すのです。


竹虎工場


工場に来られた方々は、こんなに沢山の竹など見た事もないと言われますが、その通りだと思います。竹は根から稈、枝、葉にいたるまで全てを有効活用できる素晴らしい素材であり、どのような品質の竹であっても、一本の竹がすべてが使えることを前提として成り立ってきた仕事です。


竹虎工場


これらの竹材は新しいものばかりではなく古いものも多くあります。虎竹にも一等、二等と品質があり、部材によっても使用頻度に大きく差があり足りない素材と、余ってしまう素材ができているからです。


在庫として積み上げられる竹材は種類、太さ、長さ、節間などにより様々な商材に使われますが、これらを見るだけで竹製品の移り変わりが分かるようです。これからは、もっと一つの竹細工の後ろにある景色をお伝えせねばなりません。それが付加価値というものだろうと、竹の微かな甘い香りを感じながら思っています。


冬の消臭に黒編み竹炭籠

黒編み竹炭籠


冬場は部屋を閉め切ってしまう事が多いため消臭用などに竹炭が使う事が多いのです。竹虎の事務所にも低温で焼いた消臭用をはじめ、高温で焼き上げた飾り竹炭、丸竹炭が置かれています。丸竹炭などは毎日見ているので当たり前に感じてしまっていますが来客の方などが「ええっ!?」と驚く度にやはり特に竹の好きな方にとっては特別なものなのだと改めて感じるのです。


黒編み竹炭籠職人


普通のご家庭に竹炭(バラ)を置いてもらいやすいようにと黒編みの竹炭ダイヤ籠というものを製作しています。竹虎で扱います竹炭は当然の事ながら全て国産ではありますが、せっかく地元の国産の竹炭なので安価な輸入の籠に入れていただくよりも昔ながらの職人が編んだものが似合います。




ただ竹炭(バラ)を入れる事を主な目的としていますので、あまりコストもかけられません。そこで、竹ヒゴ取りなどは一部機械化して比較的沢山の数量を編むことのできる竹籠があるのです。


黒編み竹炭籠製造


大量にとった竹ヒゴは一度黒染めしてから編み込みます。籠の形にしてから再度同じように黒染めすることによって編み目がズレても白い竹肌が見えないように工夫されています。竹炭籠も思えば皆様にご愛顧いただくようになってから長くなりました。デザインや編み方なども改良させて今の形になっているのです。


干し野菜で賢く、美味しく

干し野菜、竹籠


野菜の値段が高くなっています。園芸王国高知ですので比較的野菜は豊富な地域だと思いますがそれでもスーパーに行って白菜が買えないとか言われていますので全国的に見ればかなり深刻かも知れません。冬場は鍋で野菜をいっぱい食べられる季節だけに少し残念に感じています。


しかし、昨年の長雨は確かに普通ではないと思ってはいましたが、それがこのような形で自分達にリターンされる事を改めて認識しないといけないと思います。


国産竹ざる、干し野菜


さて、そこで高価な野菜を無駄なく美味しく頂くために干し野菜を作っているという主婦の方のお話しを伺いました。干し野菜は別段特別なことではなくて虎竹の里などでは庭先で干し大根や干しイモなど竹ざるで天日に干しているのは当たり前の光景です。


国産丸竹ざる、干し野菜


田舎では直径が50センチも60センチもあるような大きなサイズが好まれますものの、都会ではさすがに仕舞っておく場所にも困りそうですので40センチ程度の竹ざるが人気です。台所で余った野菜などは竹ざるにのせて日当たりのよいお部屋ででも干しておくだけで保存が効くようになりますし野菜に含まれるビタミンD・ビタミンB群・カルシウム・鉄分・ナイアシンなどの栄養価が高まります。


エビラ、国産竹ざる、干し野菜


不思議なのは野菜の食物繊維が大幅アップになることで、小さい頃から定番の切干大根は食物繊維が20数倍と言いますので驚きです。そして、更に干し野菜の素晴らしいところは何といっても美味しさ、旨みが増し食感がよくなりますのでいいことだらけです。野菜を無駄にできない季節は国産竹ざるで干し野菜作りです。


土用干しに多用していただきますエビラ(竹編み平かご)も通常サイズの半分の大きさのものを作りました。狭い場所を有効に使えるのでイチオシです。


竹炭アイマスク、鏡をみたら...サムライ!

竹炭アイマスク


寝付きが良いので出張での移動時間が楽だというお話しは何度かさせて頂いた事があります。飛行機でもバスでも寝たいと思ったらすぐにウトウトしてしまうのです。もしかしたら日頃から睡眠不足なせいかも知れません。


なのでアイマスクはあまり必要ないと思っていたのですが元々眠りにつきやすいのでアイマスクがあれば最強なのかも知れないと思い、ある時試に使ってみたら当然ですが目の前が真っ暗で思っていた以上に熟睡できたのです。


横になって寝られる場合には辺りの明るさや、天井の照明が全く気にならなくなりますので本当に便利です。そこで、せっかくなら遠赤効果が言われる竹炭を使いたいのです、昔は目の疲れを取りたいと思い長めの竹炭をそのまま目の上にのせて休んだ事もあります。今はちょうど竹炭を使って綿状に加工した竹炭シートを作っているので簡単に竹炭アイマスクが製作できたのです。


竹炭アイマスク


生地は、いつもの虎竹模様をイメージして特別に織っていただく和木綿をしようします。黒っぽく地味ではありますが、キラリと光っている黄金模様が虎竹デザインです。


ところが、目に当てている時には見えないので分かりませんが額にあげてふと鏡をみたら...サムライ!時代劇でこんな額当てをして戦っている武士を見た事がありますが、そっくりです。


小さなお一人様椀籠について

土佐のお客


昨日は、土佐のお客の話が出ましたので動画もご紹介させていただきましたがこのようにズラリと並んだ低いテーブルに皿鉢料理がならんだ宴席なのです。


土佐のお客


それぞれの方に取り皿やコップなどが出されますが、そんなお客様が次々に来られるので洗い場は結構大変だったのです。大きな竹の椀籠や竹ざるが必要だったのもお分かりいただけるかと思います。


お一人様椀籠


三世代が同居する家庭に育ち、このようなお客文化がもありましたので一人用の小さな椀籠という発想が実はなかなかありませんでした。ところが、自分の思うよりずっと多くのご家庭でお一人暮らしの方がおられるようです。場所もとらないジャストサイズの籠はこれからも作り続けていくつもりです。


竹碗かごのある家が好き

竹籠、椀籠のある暮らし


竹細工がひとつあれば、いつものキッチンが大変身します。竹の持つ優しさ、強さ、しなやかさ、温かみが自然と広がるのだと思います。ホッと気持ちが緩むのは竹を見た時、だから、竹碗籠のある家が好きです。


椀籠の活躍した土佐のお客


自分は中学から全寮制の学校に入学したので縁遠くなるまでは地域のあちこちの「お客」に顔を出していました。「お客」というのは法事や神祭の度に親戚やら隣り近所から沢山の方が、それぞれの自宅に集まる宴席です。その日は母親達も手伝いに出ていますので自宅での夕食はありません、自然と子供たちも皆その「お客」にやってくるのです。


襖を取り払って大広間のように設えた部屋には座卓が用意され、ツマミからお寿司、羊羹まで大皿に盛り込まれた高知ならではの豪快な皿鉢料理、カツオの刺身も負けないくらい大きな皿盛られてズラリと並んでいます。


ガラガラと戸を開けるとワッと聞こえる上機嫌の大人達の笑い声!本当に楽しい思い出ですが、自分の場合は、そんな温もりに竹籠が重なります。


スズ竹丸かご


何人来客があるか分かりません、入れ代わり立ち代わりですから小皿やコップ、お箸が沢山必要です。台所には次々と使用済みの食器類が運び込まれるのですが、とても乾かしれきません。大きな竹笊に重ねられ土間から庭先や縁側に運ばれていくのです。竹碗籠にはそんな小さい頃の思い出あるので大好きで、大切にしたいのです。


当時は家族の人数も多かったので沢山の食器を入れる大きな籠が必要でしたが今では事情がかなり違ってきています。少し前まで販売していたスズ竹丸かごは直径が30センチ程度だったでしょうか。上げ底になっていて茶碗籠として愛用されてるいるのを拝見した事がありましたが、深さもありますので今の生活に茶碗籠としては少し大きすぎるかも知れません。


足付き台所籠(大)


淡竹で編んだ台所籠は大きいサイズでも33センチ程度にしています。深さも足部分もいれて10センチ、これでも二種類用意している大きい方のサイズです。竹籠のある暮らしが好きだからこそ、皆様に使っていただけるサイズ感は大事だと思っています。


すべての小中学校の玉入れ籠が竹籠戻ればと願っていますが、同じように多くのご家庭に竹籠が戻る日を願っているのです。


この動画は出版記念の懇親会ですが「土佐のお客」は、こんな感じです。


スマホ首、ストレートネック、クレーンネックをご存じですか?

スマホ首、ストレートネック、クレーンネックの竹首枕


昔はなかったけれども生活様式や暮らし方の変化によって生まれた現代病と呼ばれる病があります。たとえば足の親指が小指の方に極端に曲がっていく外反母趾は女性がハイヒールなどを履くよになってできた足の病気であり、その昔の鼻緒の生活の時にはなかったそうです。そこで竹皮草履など室内でも鼻緒の履物が見直されて外反母趾の予防に使われたりしていますので竹が現代病に役立つことは他にもありそうです。


スマホ首、ストレートネック、クレーンネックの竹首枕


今、若い学生さんなどを中心に言われてるのがスマホ首、あるいはストレートネック、クレーンネックなどとも呼ばれる症状をご存知でしょうか?首や肩の傷み、頭痛、めまいなど様々ですが新国民病と言う方もおられるほど多くの方がこの傾向にあるのはパソコンの普及、そして一日中使っているスマホにあるようです。


スマホ首、ストレートネック、クレーンネックの竹首枕g


そんなスマホ首対策に極太孟宗竹を半割にした竹首枕が活躍します。実はこの半割枕の歴史は古くて、ずっと昔から竹の放熱性や肌さわりの良さを活かした竹枕がありました。新しい病が出てくるのは喜ばしい事ではありませんが、この時代になってようやく人が竹枕に追いついてきたのかも知れません。


スマホ首、ストレートネック、クレーンネックの竹首枕


両サイドに入れた切れ込み、竹首枕のデザインはそのまま昔の製品を踏襲した形にしています。


スマホ首、ストレートネック、クレーンネックの竹首枕


素材の孟宗竹は安定させてるために加工する前に高温で蒸し焼き状にして油抜きした状態にしています。ここだけ見ると竹の太さは均一で丸く、身もしっかりと厚みがあるものと勘違いされそうですが、この積み上げられている何十倍もある沢山の素材の中から厳選して、竹枕に適した使用できる竹材料のみ炭化しています。


「ねはんの会」土居瑞先生、第25回高新大賞受賞

第25回高新大賞「ねはんの会の土居瑞(みず)先生


その日は新聞を見てビックリ!そして本当に嬉しく思いました。高知新聞厚生文化事業団主催の第25回高新大賞を「ねはんの会」の土居瑞(みず)先生が受賞されたのです。地域の障害福祉に50年以上も取り組んでこられた土居先生とは祖父の代からのお付き合いになっていて瑞先生と呼んで親しくさせて頂いてきました。


土居瑞(みず)先生、竹虎四代目(山岸義浩)


昔は黒竹暖簾というものを作っていて小さい竹、短い竹筒に糸を通すという細かい仕事が沢山あったので、瑞先生の施設におられる生徒さんに手伝ってもらっていたのが、そもそもの始りだったようです。


ある程度の年代の方でしたら覚えておられる方も多いのではないでしょうか?昔の室内の天井に吊られた灯りにはスイッチ紐がついていました。その紐を引っ張って電気を点けたり消したりしていたものですが、スイッチ紐にも黒竹や染竹を使った製品があって当時は大ヒット商品だったのです。


涅槃の家


「生涯現役 余生はなし」がモットーの先生は今でも高知市春野町にある多機能型障害福祉サービス事業所「涅槃(ねはん)の家」で多忙な日々を送られていますが、高知新聞さんから表彰状と副賞が贈られるとの事で自分もお祝いに駆けつけていました。


第25回高新大賞「ねはんの会」土居瑞(みず)先生受賞


事業所に通われる皆様、ご家族の皆様、職員の皆様で会場はいっぱい、熱気に包まれています。


第25回高新大賞「ねはんの会」土居瑞(みず)先生受賞


そして、瑞先生の受賞挨拶を拝聴して改めて先生の功績の偉大さ、大きな意義を痛感しました。


土居瑞(みず)先生受賞、筆文字


こちらには何度もお伺いした事がありますが、いつも楽しみにしているのが皆さんの筆文字です。書道をたしなむ瑞先生の指導で素晴らしい文字を書かれているので感動です。自分が下手なりに筆を持つようになったり、竹筆を製作したりしたのも実はこちらで多くの書道の作品を拝見させてもらった事が理由のひとつなのです。


門セット


瑞先生のご自宅には祖父である竹虎二代目義治が製作した門セットがありました。もう数十年前の仕事ですので古くなり朽ちかけていました。


新門セット


それを新しくして欲しいとの電話を頂いてからが瑞先生と自分とのお付き合いの始まりです。まだ20代の後半だった自分は竹が一体誰の役に立って、誰に喜んでもらっているのか知らずにしました。


「こんな竹なんか、こんな竹なんか、こんな竹なんか...」


何千回、何万回思ったことが分かりません。しかし、どうしても忘れられない虎竹。あの職人の顔、歴史を刻む山々、竹しかないボロボロの工場。背を向けても、どうする事もできず、あふれるのは涙だけ。そんな時に「自分の虎竹」を教えてくれたのが瑞先生だったのです。


続・帝京大学駅伝競走部と強力青竹踏み「踏王(ふみお)くん」

青竹踏み、強力青竹踏み踏王くん


長距離ランナーは毎日の練習の中で足を酷使するので知らないうちにランニング障害を起こす事があるそうです。足底筋膜炎(そくていきんまくえん)や疲労骨折などというお話しを伺いましたが下半身を中心とした様々なトラブルがあるようです。


しかし、身体には自然治癒力があり、それを最大限に引き出すために古来日本で使われてきた青竹踏みを活用されるとの事でした。これからは練習前、練習後に強力青竹踏み踏王くんが選手の皆様のお役に少しでも立てればと思っているのです。


青竹踏み、強力青竹踏み踏王くん


一般的に青竹踏みは孟宗竹を使いますのでアールも緩やかで足裏の全体に刺激を与えるような感じです。初めての方を含めて多くの皆様にはこちらをオススメさせてもらっています。ところが、自分などもそうなのですが毎日愛用していますと足裏にダイレクトなツボ押し効果が欲しくなってくるのです。仕事や運動で足に疲れがたまっているような場合は特にそうなのです。


そこで、細身の真竹を使った急な角度の強力青竹踏み踏王くんが生まれたのですが、元々は長年の青竹踏みファンである竹虎社員の要望で形にしたものでした。


強力青竹踏み踏王くん


ところが、真竹は孟宗竹に比べて細身であると同時に身の厚みも比較的薄いので材料集めが大変です。また青竹踏みには強度を考えて一本の長さの間に竹節を2つ入れるようにしていますが、真竹はこの節間が長く一本の竹から適材として使える部分が思うよりもずっと少ないのです。


しかも、普通の青竹踏みは半割にして使うので一本の竹から2個製品ができますが、強力青竹踏み踏王くんは急な角度を保つために「6:4」の比率で製造しています。つまり、一本の竹から1個の製品しかできません。苦労して集めた素材を十分乾燥させ、厳選し、その結果コスト高になるという踏王くんですがツボに直接効く気持ち良さを一人でも多くの方に知ってもらいたいので作り続けています。


強力青竹踏み踏王くん


さて、沢山ある在庫の中には乾燥が十分できてなかったりして時間の経過と共に細い強力青竹踏みが更に丸くなり細くなるものがあります。これは販売できずにB級品として残ってしまうのですが実はコレが又良いのです。自分は自宅でも会社にも数本持っていて、それぞれ電話しながらや、テレビを見ながらフミフミしてますが何を隠そう使っているのは全てこのB級品(自分では超A級品と思ってます)なのです。


非売品なので社員やお得意様には差し上げる事がありますが、今回の帝京大学駅伝競走部様にも、きっとお役に立てるのではないかと思って探してみましたが、年末の大掃除で配ってしまったようでお目当ての超A級品はあまり有りませんでした。今度の機会には、是非お届けさせていだたこうと考えています。


帝京大学駅伝競走部と強力青竹踏み「踏王(ふみお)くん」

青竹踏みと強力青竹踏み


青竹踏みは竹を半分にしただけの非常にシンプルな竹製品ですが古来ずっと日本の家庭では愛用されていた足の健康グッズです。足の疲労、むくみなどに効果絶大で沢山の嬉しいお声をいただきますものの最近の若い方の中には、このスグレモノをご存じない方も増えているので少し危機感を持つこともあります。


ところが、昨日本当に嬉しいご注文をいただきました。何と今年の箱根駅伝でも総合第9位になりました帝京大学駅伝競走部様から沢山の青竹踏みへのご注文を頂いたのです。


虎竹電気自動車竹トラッカー「チャレンジラン横浜」


箱根駅伝といえばお正月に一大イベントとして楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。実は、一昨年の虎竹電気自動車竹トラッカーで高知から横浜まで1000キロを走破した「チャレンジラン横浜」にて静岡県三島市から小田原までの箱根越ルートを選んだのは、この大学駅伝の影響に他なりません。箱根の山を走り抜けるランナーと同じ道を走って、日本の剣と言われる険しい道を少しでも体感できればと思ったのです。


ところが箱根の坂道は自分の想像をはるかに越えていました。三島のスタート地点から箱根峠までは、わずか16キロしかありません。ところが平地なら50キロ近く走行できる竹トラッカーがあまりの急こう配で満タンにしていた電池が悲鳴を上げます!箱根峠手前ですでに電池切れの状態になったのでした。


充電しようにも早朝で何処も開いておらず箱根駐在所に助けを求めねばならなかった思い出のある箱根。あれから更に箱根駅伝のファンになり、特に山の登り下りには思い入れがあるのですが、そんな駅伝を走る帝京大学駅伝競走部様からのご注文だったのです。


強力青竹踏み「踏王(ふみお)くん」


しかも、ご用命は普通の青竹踏みではありません、ご用命は足裏のツボにピンポイントでギュッと効く強力青竹踏み「踏王(ふみお)くん」でした。さすがに走る事、足のスペシャリストの方々ですので効果的なものは良くご存じだと思いましたが竹材も豊富な孟宗竹という大きな竹を使う青竹踏みは良くあるものの、細身の真竹を使った竹踏みなどは全国探しても竹虎にしか無いのではないかと思います。


上級者用青竹踏みとも言うべき強力青竹踏みを良く知って頂いていたなと思っておりましたら、懇意にされている高校の陸上部に行った際、グランドにブルーシートを敷いたその上に選手用としてズラリと並べられている踏王くんを見たのがキッカケだったそうです。足が勝負のスポーツの現場で使っていただけている事に嬉しさを感じます。


雨の虎竹の里、行きはよいよい帰りは怖い

雨の虎竹の里の山道


竹伐採のシーズンは今月1月末までですが、雨が降ると竹林に入る事はできても細く急な山道を機械で上り下りする事ができなくなります。画像では、なかなかこの急角度の斜面というのがお伝えしずらいのですが見学に来られた方の中には少し上がってきて頂上に向かう道を見ただけで竹林まで登るのを諦める事すらあるようなキツイ傾斜の坂道です。


雨の虎竹の里


なので雨の日に山に行く事は本当に少なかったのですが、たまたま機会があって濡れた竹林に入るといつもとは全く違った竹の表情があり驚いた事があります。濃い緑色の竹葉に虎竹の色合いが黒光りして見える、雨音だけしか聞こえない静寂の世界、知らなかった雨の竹林の魅力を教えてもらった気がして感謝したのです。


雨の虎竹の里の山道


ただ、やはり帰りは要注意。虎竹の里周辺の土壌は粘土質の赤土です、雨に濡れると光沢を放つ山道は本当に滑りやすいのです。慣れない方でしたら手ぶらでも尻込みしてしまって、尻もちをつきながら恐る恐る下る雨降りの山道。この道で働く山の職人の凄さを思う、虎竹の里の「行きはよいよい帰りは怖い」です。


渡辺竹清先生の煤竹ペーパーウェイト

渡辺竹清先生、竹虎四代目(山岸義浩)


先月は久しぶりに父母と揃って渡辺竹清先生のご自宅兼工房にお伺いさせてもらっていました。先生はお仕事はすでに引退されて悠々自適の生活をされていますが、祖父の代からこうしてお付き合いさせて頂けるのも先代からのお陰です。


渡辺竹清先生パーティーバック


先生の作品に多用されているのは100年、200年前の煤竹。そんな時代を経た竹を後世に伝えるために作品にされていると言われていましたが、このような美しい作品となり命を宿した竹はずっと遺っていくのだと思います。


渡辺竹清作、煤竹ペーパーウェイト


緻密な網代編みと対照的な乱れ編みの作品も創作されていましたが、そんな中のひとつで珍しいペーパーウェイトをいただきました。振ると音がするのは重しのための小石が入れられているため、竹鈴は音で邪気を祓うとされていますけれど、使うたび心地のよい音のする先生の作品も年の初めから良い事の起こる福音のように聞こえて仕方ありません。


3種類に選り分ける消臭用竹炭(バラ)について

土窯竹炭(バラ)


竹は衣食住の全てに関わり役だって来たという事はいつもお話しさせていただきます。しかも、活用できるのが稈(カン)はもちろんの事、竹の根から枝から葉、いやいや竹になるまでの筍も食用のみならず竹皮は抗菌性などの機能性まである優れた天然素材なのです。


しかし、それだけではありません。竹は焼いて炭や灰になっても更に驚くような性質を持ち生活に役立ってくれるので本当に凄いとしか言いようがないのです。


シックハウス用竹炭


高知と言えば土佐備長炭が有名ではありますが、そのような炭窯でなくとも地元の山々には小規模な窯が点在していて山深い小さな集落などにも一つくらいは炭窯がありました。そのような炭窯で焼かれる竹炭は400度程度の比較的燃焼温度の低い窯で柔らかく割れやすいため形状も様々ですので竹炭(バラ)と呼んでいますが消臭や湿度の調整に向いた竹炭です。


電気伝導率が高く、叩くとキンキンと金属音が出るような高温で焼いた竹炭が注目されていますが使い方によればこの低温で焼かれた竹炭(バラ)の方が効果的な場合もあるのです。


土窯竹炭(バラ)選別作業


高温の竹炭はシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの吸着に優れます。随分前の事ですが新築マンションを借りた時には入居する数週間前から最高級置き竹炭を多めに持ち込んでいました。


ところがアンモニア臭などの悪臭対策には竹炭(バラ)の方が安価で使い易くもあり、効果的な場合もあります。竹虎ではこの低温の竹炭(バラ)も炭窯から出されたものを室内でも使いやすいようにと全て手で選別して3種類に選り分けているのです。


竹取物語に登場する「光輝く竹」の秘密

淡竹(虎斑竹)


竹取物語と言えば日本最古の物語とも言われて誰もが知っているお話しです。竹取の翁によって光輝く竹の中から生まれて翁夫婦に育てられたかぐや姫を巡る物語ですがどうしても「光輝く竹」というのが気にかかっています。以前、梅雨時の孟宗竹が光輝く竹であると30年ブログに書いたことがあります。


孟宗の若竹には注意していないと見逃すくらいの産毛のようなものが生えており、雨の湿気で本当に信じられないほど光輝いて見える事があるのです。連日の雨で回りの景色が暗く沈んでいる中、まるで浮かび上がらんばかりの竹の神々しさに出会えば竹取り翁ならずとも何かを感じてしまいそうです。


しかし、孟宗竹が日本古来種であれば、これで問題解決ですが実は孟宗竹は中国から江戸時代に入ってきた外来種でありこの物語が成立した1200年も前には日本になかった竹なのです。


それでは「光輝く竹」とは一体何なのか?


それは淡竹(はちく)に間違いありません。淡竹のひとつの特徴として白く粉が吹いたように見える竹表皮があります。何を隠そう日本唯一の虎竹も淡竹の仲間ですが、独特の虎模様はこの白塗りした下に隠されています。虎竹と言っても全ての竹に色付きがあるのではなく、一級品の色合いになるのは一部の竹だけです。


ずっと色付きのない竹も多いのですが、そのような竹に何かの拍子に日の光が当たった瞬間、「光輝く竹」が表れ竹取り物語の秘密が解けた事を確信するのです。遥か昔、翁は淡竹の林でこのように光る竹を見つけて、かぐや姫が誕生したのです。


雨に濡れた虎竹


白粉に隠された虎模様を一般の方が見分けるのは少し難しいかも知れませんが、簡単に虎模様を見ることができる事があります。先日の雨模様の日に山出しの様子を確認に行くと、雨水で濡れた竹表皮には美しい虎模様がしっかり見てとれます。


Installation kaguya出版記念企画


昨年、東京国際フォーラムにて開催されたアートフェア東京2017がありました。竹取物語をテーマにしたInstallation kaguyaに虎竹を使って頂いたのですが、この時の企画をまとめた本が出版されてアマゾンで販売されています。


また、蔦谷書店さんの方で特別コーナーを作り出版記念の展示が開催される事になっているそうです。代官山蔦屋書店では今月1月11日(木)~31日(水)、京都岡崎蔦屋書店で1月11日(木)~2月12日(月)、梅田蔦屋書店で1月10日(水)~31日(水)の会期を予定されています。蔦屋書店と言えば若い方々にも人気のスポット、虎竹の事も知っていただく機会にもなれば嬉しいと思っています。


車窓からも美しい虎竹の里

竹虎四代目(YOSHIHIRO YAMAGISHI)


新春!日本唯一虎竹の里ウォーキング2018年でスタートしたのは午前9時30分です。焼坂の山道は虎竹の古里と言うだけあって道の両側に竹が繁っている箇所が点在していますので、ゆっくり竹の成育を観察しながら歩きます。


竹葉の道


竹は一年を通して青々とした葉を繁らせて生命力があふれる植物でもありますが、実は「竹の秋」と言われて落葉する時期があります。同時に若々しい新葉がはえてきますので目立つことはありませんが竹林を通る小道には竹の葉が敷き詰められています。


テングス病


見慣れない竹を見つけました。近年淡竹(ハチク)の開花が話題になることがありますが竹の花ではありません、Aciculosporium take Miyakeと言う病原菌が原因のテングス病です。弱った竹に見られる事が多い症状なので虎竹の里ではあまり見る事はないものの山の抱える問題をこうして教えてくれているのです。


何千回、何万回と通った道であっても車に乗っているのと歩くのでは景色が全く違います。所々で立ち止まり、竹林に続く脇の細い山道を登ったり、1200年続く遍路道に寄り道したりで山越えして国道56号前にでる頃には正午も随分すぎて12時30分頃になっています。


土佐久礼駅


そこから更に歩いてJR久礼駅には午後1時すぎに到着するのですが、ちょうど午後1時31分発、普通列車の須崎方面行がやって来ます。


久礼駅時刻表g


虎竹の里にある安和駅は特急列車は停車しません、なので普通列車に乗らねばなりませんが久礼発の安和行きと言いますと一日6本しかなくて午後1時に乗れないと次は午後5時まで待たねばなりません。時間に追われてばかりの生活ですが、こんな長閑さも悪くないのです。


毎年、この汽車に乗りますが歩けば安和から4時間近くかかる距離もJRならほんの数分。山越えで歩いて来た焼坂も長いトンネル一本、真っ暗闇を抜けると眩しい日差しの虎竹の里です。ガタンゴトン、ガタンゴトン...意外とスピードのでる1両編成のJRで揺られるのも、ほとんど乗る事がありませんので新鮮な気分です。




何より汽車の車窓から見える虎竹の里が最高です!ここは、やはり美しく豊かな所です。安和駅は無人駅の小さな駅なのですが目の前には雄大な海が広がっていて最近ではわざわざ県外から車でやって来られる方も多いのです。この日もホームでは本格的な三脚を持って安和海岸の絶景を撮影するカメラマンの方がおられました。見慣れた景色なので地元ではつい見逃してしまう、かけがえのない地域の宝。実は、日本唯一の虎竹も同じように自分たちこそ価値をもっと見直さねばならいと思っているのです。


新春!日本唯一虎竹の里ウォーキング2018

虎竹の里2018年正月


今年の虎竹の里も穏やかで素晴らしい天気の恵まれました。青く澄みきった空、明るい太陽、焼坂の山々の美しい緑、5年目になる新春恒例の日本唯一虎竹の里ウォーキングも気持ちよく出発することができます。


虎竹の里


高台から虎竹の里を眺めますと前は雄大な太平洋につづく須崎湾、三方を山に囲まれた本当に狭い地域です。ところがすぐ後ろにある焼坂の峠が228メートルもあり昔から四国八十八カ所遍路道の難所とも言われてきた土地柄です。


最近では高速道路が開通したものの、自動車の時代になってからでも交通の難所として県下では知られていた七子峠でさえ標高287メートルですから、この辺りの山々の険しさがお分かりいただけるかと思います。


日本唯一の虎竹林


しかし、この急峻な山や地形が日本でもここでしか成育しない虎模様の竹を産み、育んできたのです。メジロの遊ぶ声を聞きながら、竹と新年の挨拶をしながら歩いていきます。


日本唯一の虎竹林


道路脇の樹木が少なくなって日当たりの良い道からは自社の竹林が見えてきました。山の上に向かって逆三角形のような形で広がる竹林は、山頂でピタリと止まり向こう側には竹は一本も生えていません。


日本唯一の虎竹林、Tiger Bamboo


本当に不思議な竹だと、つくづく思います。竹は3ケ月で親竹と同じほどの大きさに成長して後は何年経っても大きさは変わりません。そんな神秘的に成長力にも魅力を感じる竹ですが、大きな竹ばかりの竹林があるかと思えば、昔から変わることなく細い竹ばかりが生える林もあって同じ虎竹なのに面白いものです。


竹虎四代目(YOSHIHIRO YAMAGISHI)


今年も無事に焼坂峠まで来られました。ここまで坂道ではありますが虎竹を搬出するために整備されていて未舗装といえど歩きやすく、ゆっくり寄り道しながらも約2時間で到着です。峠から久礼側に下るこれからの道は、竹を運ぶためのトラックが通りませんので荒れて獣道のようになっている所がありますので注意が必要ですが約1時間程度で国道まで出られます。


昔ながらの遍路道を行かれる方も多いですし、山歩きやランニングを兼ねて通られている方もおられて毎年必ず何人かの方にお会いします。皆様心地がよい道だと言ってくださいりますが地元の方にも少しづつこの歴史のある旧道が知られてきているようで嬉しく思います。


竹虎四代目、書初め「桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す」

桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す


昨年に「桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す」という言葉を教わりました。桃やすももは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができる、つまり人徳があり、温かな人の元にはいつの間にか人が集まるたとえだそうです。


虎竹の里の山道


「道」と言えば自分にとりましたら虎竹の里に毛細血管のように伸びる竹林に向かう山道しかありません。今年も1月末までが伐採のシーズン、いつもは静か山々にも耳をすませば遠くの方に聞こえるのは竹を伐り出す音。細く曲がりくねった急な山道ではありますが、確かな息づかいを感じる竹虎初代からずっと生き続けている命の道です。


日本唯一の虎竹


「虎竹もの言わざれども下自ら蹊を成す」


虎竹を皆様にご愛顧いただき、ご支持を頂戴いただけているからこそ、この道は続いてきました。この一年、この一年、そして今年もこの一年という思いで歩いて行くきます。何卒よろしくお願いいたします。


2018年、明けましておめでとうございます!

竹虎四代目、30周年年賀状


新年明けましておめでとうございます。2018年の竹虎四代目年賀状テーマは「オンリーワン」。いつもお話しさせていただくのですが「笑」という文字は「竹」+「二人」で出来ています。竹とあなたと私で作るのが笑顔だと思うのですが、今年は戌年だけに「竹」+「犬」になっています。四代田辺竹雲斎氏にお願い頂いた虎竹付け耳鼻、写真家ミナモトタダユキ氏撮影で勝負の年にかける意気込みを表しています。


それにしても継続は力なりと言いますが1985年に初めて写真付の年賀状を出すようになってから今回で何と30周年という記念すべき年になりました。最初は確か100枚程度で出し始めた年賀状ではなかったと思いますが今年は約4000枚の発送をさせて頂いています。こうして続けられたのは年賀を受け取ってくださる皆様のお陰です、ありがとうございます。


竹虎年賀状一覧ページを見ていますと、早朝の神戸港まで写真撮りに行った大学四回生の頃のことからあれこれと思い出しますが、今年の新春動画でも、年賀の歴史を振り返っていますので宜しければご覧ください。


しかし、懐かしんでばかりもいられません、激動を予感させる2018年が始まりました。戌年は「道に迷わない」そうなので新しいチャレンジにも最適な一年かと思います。今年も何卒よろしくお願いいたします!