黒竹の伐採

黒竹伐採


虎竹の里のすぐ隣町である中土佐町には黒竹の竹林が広がっています。虎竹と同じように江戸時代から有名な産地であり「笹場に黒竹なる名品あり笛に適す」と藩政時代に記された文書にも残されているほどなのです。


黒竹玄関すのこ


現在では伐採する山の職人が少なくなったことや、海外からの安価な竹の出現で生産量は昔ほどではありません。しかし、竹虎には黒竹玄関すのこなど特産の黒竹ならではの製品も多数あって少しでも地元の竹の伐採量を増やして、せっかくの地域資源を活用しようとしています。


黒竹林


黒竹の生産量の変化のひとつには開花があったことも見逃せません。昭和60年(1985年)頃に開花が始まり、当時3万束の出荷があった黒竹が平成元年(1989年)には8000束にまで減少しました。竹は開花すると一斉に枯れてしまい、同じような竹林の復活には10年単位の長い時間が必要です。


伐採できる竹林がなくなり、空白の時間が続くと技の伝承はじめ全てが止まってしまいます。こうして、かっては大型トラックまで動員して集荷せねばならないほど生産されてした黒竹は減少の一途をたどってきたのです。


黒竹伐採


黒竹は海の近くの高知でも温暖な地に多く、品質も良いのですがこれには虎竹と同じように潮風の影響もあるのではないかと自分は考えています。


黒竹伐採


伐採は来年1月末まで行われます。集荷して油抜き、矯め加工などしてからそれぞれの製品に製造していくのですが思えば山の竹林から最終のエンドユーザーまでの長い道のりのスタートラインです。


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