玄照堂藍染め作務衣

玄照堂作務衣、竹虎四代目(YOSHIHIRO YAMAGISHI)


玄照堂さんの作務衣と出会ってから、かれこれ30年近くなると思います。仕事でどうしても着用せねばならず年寄りくさく見られそうなのが嫌だったのですが仕方なく着たのが始まりでした。ところが、いざ着用してみると身体にしっくりくるし動きやすい。


すっかり好きになって頻繁に着るようになると地元の土佐つむぎの作務衣だけでなく他の生地やメーカーさんの物も着て試したくなり色々と購入してみたのですが結局、本物の藍染を探求しながらシンプルであり、裏地の当て布等見えないところにこだわりのある玄照堂さんに辿りつきました。


作務衣、竹虎四代目(山岸義浩)


中学高校と全寮制でスポーツの盛んな明徳でしたので身近に空手部や剣道部の胴着を見ていましたし、当時は毎日のように法被を着る機会も多かったです。また、高校で弓道を習っていた事も和装の衣服にもあまり違和感がなかった理由かも知れません。とにかく楽ですし毎日着るようになり今では出張はもちろん、いつでも、どこでも作務衣です。


玄照堂作務衣


20数着持っている中で良く着るのは15着あり、一応オールシーズン着られるものが中心ですが夏用、冬用もあるので気に入っている作務衣は結構着用頻度が高いのです。着れば着るだけ馴染んできて着心地も良くなってきますが、唯一襟首部分が擦れて糸がほつれてくる事が気になります。


そこで玄照堂さんに無理を言って、ほつれる度に襟首部分に当て布をしていただき補強をしてもらうのです。今回も3着の上着が手直しされて帰ってきました。着古して色落ちした作務衣に襟首部分だけ真新しい濃い生地の色合いは少し目立ちますがこれは、これでアクセントになっていて格好が良いですし、洗濯を繰り返すうちに落ち着いてくるのです。


玄照堂作務衣、竹虎ロゴマーク


作務衣ばかり着ているので実はお客様から自分の着ている作務衣はどこのメーカーですか?とか同じものが欲しいとのリクエストをいただく事がありました。もう何年も前の事ですが、たて続けにお問合せいただくので当社オリジナル作務衣を用意させてもらっています。


玄照堂作務衣、竹虎四代目、後ろポケット


オリジナルと言いましても襟の下部分の背紋のところに竹虎ロゴマークを入れさせてもらっているだけですが、自分が個人用として購入する時にも必ず別注させてもらう後ろ右側のラフップ付ポケットも取り付けています。


作務衣、竹虎四代目(山岸義浩)


実際に作務衣を着て動く場合にはポケットがいくつかあった方が便利です。特に20年以上前の玄照堂さんの作務衣には上着にひとつ、ズボンの右側サイドにひとつしかポケットがなくてそこだけは不便を感じていましたので最初の作務衣からお尻部分にはポケットを取り付けてもらっているのです。


玄照堂作務衣、竹虎四代目


しかし、ポケットの数は少なかった初期の玄照堂さん作務衣ですが、その生地は素晴らしいものがありました。江戸時代の藍染を再現したと言われている独特の深みのある藍色で長く愛用するとジーンズのようにタテ方向に色落ちがしてくるのです。


若い頃、ジーンズは自分なりの色落ちを楽しむためにデッドストックのものを数年間洗濯せずに履き込んだりしていました。さすがに作務衣はそういう訳にはいきませんが、藍染のものは出来れば水洗い、最低でも漂白剤の入った洗剤を使うのは避けたほうが良いです。


玄照堂作務衣、竹虎四代目(山岸義浩)


繊維業界も竹と同じように工場も職人も減ってしまい昔のような手のかかる生地を織ってくれる所がなくて困っていると社長さんは話されています。現在販売されている定番の藍染は明治以降の製法のものらしくて、それでも製造には苦労をされているようです。しかし数十年来のファンである自分などは、いつか以前のような昔の藍染生地の作務衣が復刻されることをずっと心待にし続けているのです。


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