竹ざるには色々ありますが、高知では大きな網代編みの竹ザルのことを「サツマ」と呼ぶのです。どうしてサツマと言うのかは定かではありません。おそらく網代編みの大きな竹ざるの製法を鹿児島の竹職人が高知に来て伝えたのか、反対に土佐の竹職人が鹿児島に出向いて習ったのか、いずれにせよ技術の伝達があったのは間違いないと思います。

鹿児島大隅半島から宮崎、高知、和歌山は黒潮の流れで繋がっていると感じることがあります。その一つにウツボ漁があり、漁のための竹編みのウツボ籠があるのですが日本でウツボを食する文化のあるのは宮崎、高知、和歌山の3県だけです。網代編みの竹ザルについては、そう時代が古いことではないにせよ、潮の流れに従うかのように何らかの関係があったと考えられますので面白いものです。

以前もこの30年ブログで寿司バラのお話しをさせていただいた事があります、鹿児島、宮崎など九州南部では寿司飯を作る時に網代編みされた竹笊を使います。寿司バラには乾燥を防ぐために蓋付きの場合が多く、技術の高さを伺い知ることができますがこの竹編みは上下共に二重編みとなっています。

そして更に網代編みの部分が蓬莱竹といいますのでしびれます。何かあれば寿司飯は欠かせないと言いますので、これからの年末年始には家族親戚が集まる機会も多い季節、この大きな寿司バラが活躍するのですろう。

それにしても艶々と輝いて美しい編み込みです。これなら寿司飯もいくらでも作れそうな気分になってきます。