「地震の時は竹林に逃げろ」と小さい頃から教わっています。どうしてなのかと言えば、竹の根が張り巡らされてるところをみれば一目瞭然ですが普通は固い地面の下にある竹根を見る機会などはというのは滅多にあるものではありません。
しかし、このように竹林を伐採して根を掘り起こした現場をご覧いただきますと少しお分かりいただけるかも知れません。曲がりくねって見えているのが竹の根、竹自体も鋸や鉈が無ければ小さな径のものでも折る事はできますが切断しようと思っても、ちょっとやそっとで出来るものではありません。
そんな竹の稈同様に竹根も実に強靭で、しなりがあり決して切れることはありません。竹の節みたいに竹根にも節があり、地面をしっかり掴み込み縦横無尽に伸びて他の仲間と繋がっています。これが竹根の強さであり、天然の鉄筋コンクリートと呼ばれる所以なのです。
このようなステッキに使える太い竹根は職人がいなくなり製造されなくなりました。自分用に数本の竹ステッキを持っていますが、ちょっと心細くなるような細い竹根でも体重をしっかり支えてくれますので、このくらい物になれば本当に強くて安心です。
見た目の面白さから竹製品にも色々と使われて来た竹根は、バックの持ち手にも使われるようにハンドルにも持って来いの素材です。特に太いものでしたらドアの持ち手に使われているのを竹職人の工房などで何度か拝見した事があります。
そうそう、いつだったか竹の多い台湾南投県でもドアの取っ手が竹根だったことを思い出しました。テッペンから地中の竹根まで全く無駄なく使えるのが竹なのです。
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