根曲竹の脱衣かご、孟宗竹の脱衣かご

根曲竹脱衣かご


根曲竹の脱衣籠は楕円形の形といい、細い竹の特徴を活かしてそのまま使った持ち手といい、六ツ目編みのざっくりした感じといい非常に格好の良い籠のひとつなのですが最近は職人さんの高齢化と共に段々と製造数が少なくなってきました。


根曲竹籠


竹の高齢化には二つあって、ひとつは竹伐り職人の高齢化、そして竹編み職人の高齢化があります。一般的に竹製造の方ばかりがクローズアップされる事が多いです、しかし「引きずり三年、枝払い八年」と言われます。それだけ竹伐りが難しい職人仕事であり竹産業として見た場合には竹伐り職人不在の現状も大きく、そこが原因で作られなくなった製品も多いのです。


根曲竹花籠


根曲竹は寒い地方に育つ竹で雪の重みに耐えて根元が曲がる苦労人のような竹ぜよ。冬場に成育する山々に入ると緑の葉に白い雪をいっぱい積もらせている姿を見る事ができますが、まさにこんな逆境だからこそ燃え上がる反骨精神で新しい竹籠への意欲がかき立てられる事もあるのです。根曲竹は細い稈でありながらも粘りや強さは本物、この素晴らしい竹に見習って粘り強くいかねばなりません。


孟宗竹角脱衣籠


脱衣籠といえば定番の四角い形をした塗脱衣かごの素地が出来上がりましたぞね。元々は真竹を使っていたのですが大きな竹が必要な事や、丈夫さなどを考えて近年では孟宗竹を使って作られています。


この孟宗竹を使った素地を塗って仕上げていきますが、角物の籠もまっこと(本当に)貴重です。他には恐らく見ないのではないでしょうか?結構普通にやってますが冷静に見たら凄いものが一杯なのです。


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