真竹の切り口に竹粉が沢山見えています。これはもちろん鋸で切った切りクズなどでは無く、竹がチビタケナガシンクイムシに食われているのです。
虎竹の油抜きなどをガスバーナーで始めますと工場中に甘い香りが漂ってきますが、例えば知らない町でも竹の香りで近くに竹工場があるとすぐに分かるくらい竹には糖分が含まれていますので、竹にとって虫害は永遠のテーマとも言える問題です。
竹を好んで食する虫にはタケトラカミキリ、ベニカミキリといったカミキリ虫をそのまま小型にしたような虫もいます。「タケトラ」と名前がついているのが昔から気に入りませんが、虎模様の虫であり、「ベニ」と名前のつく方は鮮やかな紅色をしています。
このカミキリの方は比較的に身体が大きく目につきやすいのですが、チビタケナガシンクイムシ、ヒラタキクイムシ等は小さく目立たないので知らない間に竹に潜んでいます。それこそ竹粉が落ちてくるまで虫害を察知することは難しいのです。
小さいとは言え、その食欲は旺盛で竹繊維にそってどんどん食害をしていって、酷い時には竹ヒゴがボロボロになってしまうほどです。出来るだけ虫害を防ぐために竹伐採には時期を選び、竹の栄養分が少なくなったタイミングでしか伐りませんがそれでも完全に防げるわけではありません。
竹が必需品であった時代には台所で使われる竹笊、竹籠にしろ屋内や屋外で使われる竹製品は頻繁に手で触り見られていましたので虫が喰うといってもそこまで多くはありませんでした。ところが現在では年に一度しか使わないとか、棚に入れっぱなしとか普通にありますので久しぶりに出してみたら虫害にあっていたなどと言う事も、まま起こります。
薬剤処理などせずに編まれた竹細工ですので、虫害にあいましたらまず、小さな穴を見つけてください。そして、その穴を中心に熱湯消毒をお試しいただいております。一度ではなかなか退治できない場合もありますので熱湯消毒のあと陰干しをして様子を見ながら何回かされることをオススメいたしています。
竹など自然素材はプラスチック製品などと違い、日頃のお手入れが必要です。強い素材ではありますが丁寧に扱うことによって竹ならではの愛着が沸いてきて、その結果虫害にも早く気づく事ができて更に長くご使用いただく事ができますぞね。
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