別注の竹籠、竹製品は面白い

竹職人、別注竹ざる


竹虎には時々色々な竹細工や竹製品が持ち込まれて来ます。今までお客様の近くで竹編みをされていた方が仕事ができなくなったりした場合、代替え品になる事も多いのかも知れませんが、やはり竹でないとダメだと言う事になれば、壊れかけた現品を持って来られる方もおられます。


壊れかけた竹籠


竹細工と言っても全国的に見ますと、同じ用途の籠でも呼び名が違っていますし、本当に千差万別なのです。昔から生活に密着してきた竹だけに地域の特性や気候、風土、文化により異なるのは当然で興味深いものではありますが、別注の竹籠、竹ざるについては出来るだけ見本となる現品を見せていただく事にしています。


山葡萄の腰かご


単純にサイズや用途だけ聞かせていただいたり、画像を拝見させて頂いても籠の作りや細かいあしらいが分かりません。別誂えの細かい所は全て当社お任せでお願いしていますが、それでも出来るだけオリジナルに近づけて再現したいと思っていますし、時によっては竹素材でない事もありますので、やはり現物が一番ぜよ。


古い竹籠


直径が70センチもある大きな竹ざるもサイズと深さだけなら測ってもらえば分かりますが、竹ヒゴの厚みやカマボコ状になった形までは分かりません。このサイズなら、かなり丈夫な作りでないと長く使うことはできませんので堅牢さが重要です。簡単な仕事ではありませんが、わざわざ遠くから探してお越しいただいているので自分達の力で何とかできるのであれば、と毎回思ってやってきました。


けんど、まったく同じものは出来ることもあれば、できない事もあります。価格や数量、納期、素材など全て含めて自分たちの限界が竹の限界と思っています。


ミニ竹籠


竹細工の種類は多いので一人の職人が何でもできるわけではありません、それぞれの職人が編み方や作りによって得意、不得意があります。孟宗、真竹、淡竹(はちく)が三大有用竹と言われちょりますが、竹素材にしても日本列島北から南まで見渡せば他にも様々な竹の種類があり製品に使われていますが性質は全く違っていて、その素材自体を扱った事がない場合もあります。熟練の職人ほど新しい事は苦手な事が多く、使ったことのない竹素材はなかなか使おうとしないのが普通です。


しかし、自分たちが思いもしないような竹製品の復刻に挑戦するのは実に面白い。竹の知らなかった魅力を教えてもらう事もあり楽しいのです。


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