竹虎の竹皮草履、スリッパには大きく別けて二つのタイプがあります。一つは竹皮編みの段階から鼻緒を付けたタイプ、もうひとつが竹皮ベルトスリッパや竹皮下駄の桐台の表となる鼻緒の付いていないタイプです。この鼻緒無しのタイプを「ダイガク」と呼びます。
元々、竹皮草履の製造は熟練の技を必要としており形の良い綺麗な草履ができるようになるには長い年月を必要とします。しかし、このダイガクを作れるようになるには更に技を極める必要があり、職人の中でもごく一部の限られた者しか製作する事ができません。
その理由は竹虎の竹皮草履は型押ししないという事が挙げられます。型押しすると多少の歪みなどは矯正できるので作りやすくはあるのですが、型押しする中で竹虎の竹皮草履特有の足入れした時の忘れられない心地良さが失われてしまうのです。
だから、どうしてもプレスが必要な竹皮スリッパ、竹皮下駄の表についても軽く圧力をかけて竹編みの裏側の毛羽立ちを押さえ加工しやすくする程度に留めます。若干は竹編みの形の修正もできなくはないのですが、それが目的ではありませんし型抜きしたような竹皮編みは出来ませんし、又するつもりもないのです。
下駄の表にピッタリ合うように竹皮編みの長さ、幅、曲線部分を職人の手技だけで編込みしていきます。これが、まっこと真似のできない竹皮職人の技術なのです。
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