Green schoolから車で少し移動した所にあるGreen villageには、更に驚く、もっとエキサイティングな竹の建造物が建てられています。名前のとおり、深い緑の中に点在する独特の竹建造物たちにはホテルとして活用されているそうですが、長期滞在されているお客様がほとんどのようです。
それぞれデザインの違う竹建築ですが中には一棟を購入されてる方もおられるように聞きましたので別荘のような形で使われているのかも知れません。今回、お伺いした時には複数ある建物の中から2つの建物を見学させていただく事ができました。
John Hardy氏の更なる竹の世界は、このドアの向こうに広がっていました。卵型の形、柾割した竹節が交錯するデザインは、まるで竹林に分け入っていくかのような錯覚を覚えます。このようなユニークな発想は一体どこから来るのでしょうか?
室内に入ると全てが竹です、柱、ベット、階段...その向こうに米研ぎざるのような形をした竹籠と蓑虫のような竹籠が見えています。虎竹の里の近くにある漁師町の大正市場には、その昔に漁に使われていた大きな竹籠を吊るしてありますが、その籠より随分大きいのです。
籠の正体はメゾネット式の小部屋でした。竹の階段を上に昇っていくと竹テーブルに竹の椅子が備え付けられていて仕事も出来ますし、一人で静かに読書などしたい時には最高のスペースとなっていました。子供の頃に、大きな竹籠の中に隠れて遊んだ事はありますが、竹籠を本当に部屋にしてしまうとは恐れいってしまいますぜよ。
竹の建造物の特徴のひとつに解放感があります。どこの階も風が通り抜け光がはいる設計になっているようです。そして、竹ならではの真っすぐな線と優しいカーブが融合する美しさがあります。
この階段などもゆるい曲がりがあり、手すりなども実によく作られています。竹虎でも一度頼まれてカーブのある手すりを製作したことがありますので、この建物を担当された職人さんたちの技術力の高さはよく分かります。
竹の建築には圧倒されますが、部屋に置かれている竹の調度品も、ひとつひとつがアートです。本当に感動してしまうような出来映えなのです。
部屋の片隅に設えられた竹の化粧台でしょうか。小さなスペースですが素晴らしい竹デスクと竹チェアです。存在感のある太い竹割、細い割竹、柾割の表情、竹集成材などここだけにでも凄い竹の技が集約されています。
竹を編み込んだ壁は、やさしい曲線を描きながら向こうまで伸びています。自由自在な竹の設えです。
竹の床も、これだけの広さにしっかりと敷き詰めてあると見事ぜよ。床竹はお客様が歩き回るだけに壁や天井以上に渋い風合いに変色していました。
竹ヒシギ張りの屋根など日本では見る機会はあまりありません。こんな大きな竹の建造物の屋根全体が竹ヒシギとは...!?雨季にはかなりの雨が降ると聞きますが、竹ヒシギで十分という事だと思います。
隣の建物も竹ヒシギ張りのようでした。屋根の柔らかい曲線もヒシギなら思う存分表現できます。機能性も見た目にも、さすが竹です。
室内にかえります、竹編みの巨大な蓑虫のような形をしたものはトイレでした。渦巻き状に作られていて巻貝を連想させます。
蛇口まで竹製、根元部分には細い竹根を使っているなど細かい所にまで、とことん竹です。
壁も床も天井も竹で、当然ベットも竹製です。三階、四階建ての構造になっているgreen villageの竹建築は自然の風を取り入れ、森の音や、雨のにおいなど五感で感じられるホテルなのです。
竹に囲まれたバスルーム、ここも様々な竹が使われていて圧巻。バスタブは金属製でした。
小さな頃、友達と山に分け入って木に登り秘密基地を作りましたがあちらこちらに部屋があり階段があり自由気ままに過ごせそうな竹の家は遠い昔のドキドキワクワクした感じを思い出しさせてくれます。
Green villageの建物には当たり前ですがエレベータなどありません。散策するにも起伏のある石畳の道を歩き、室内でも竹の階段を上り下りしますので自然で健康的です。
しかし、今日はすでに結構歩きました、歩き疲れて一休みぜよ。この竹製ハンモックも最高に気持ちが良いのです、川の流れを耳にしていたら寝むってしまいそうでした。
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