いい飴色になった竹籠があります、実はこれは内側に二重の中蓋のついた手の凝ったもの。ふっくらとした形、丁寧なヒゴとり、しっかりした編込み、熟練の職人ならではの逸品です。
元々は魚籠として使用されていた籠なのです。こんな大きな籠を使って漁をしていた頃の日本は今にして思えば何と豊かだったのかと思ってしまいますが、現在では整理籠として使われる事の多い竹細工なのです。
魚籠と言えば腰に提げる小振りなものを思い浮かべてしまいますが、この魚籠はちょっと違いますぜよ。高さは約44センチもあり、幅も約47センチとかなり大きなサイズ、衣類などもタップリ入れられる、まるで行李のようにお使いいただける魚籠ながです。
時間の経過したものと編んで日の浅い籠とでは、やはり風合いがまったく違います。若々しい竹の雰囲気も良いものですが、落ちついた竹の良さを知ってしまうと、やはり青々とした籠には早く大人になれよと声でもかけたくなる気分です。
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