竹虎が虎竹の里に日本全国の竹工芸から竹細工、竹製品、竹材にいたるまで、竹にこだわった店舗を作ったのが昭和45年(1970年)というお話しを先日の竹籠バックの持ち手の時にさせていただきました。店舗を建てた頃の事は所々ハッキリ鮮明に覚えていますので、そんな昔の事とは思えないのですがあれは47年も前の事なのです。
ご自身も熟練の竹職人のように竹籠を編み、また竹文化の緻密な研究をされている関東にお住まいの方から一枚のポスターが送られてきました。実はこのチラシも40数年前、自分がまだ小さい頃のものながです。「技と美、そして温かさ」と書かれた中に紹介されている竹細工は、かって高知県で作られていた製品の数々ぜよ。この方は当時、高知から東京のデパートの催事場に実演に来ていた職人さんと親しくなって、このポスターをいただき今まで大事に手元に置かれていたそうです。
突然このような資料が届いた時には、ちっくと(少し)驚きましたが、土佐の昔ながらの竹細工を少しでも継承し残して欲しいという思いがこもっています。実は、ここ数ヶ月このポスターを眺めては考え、また眺めています。綺麗に保管されている、この一枚の大きな価値。すでに地元の方でもこのような竹文化があった事をどれだれの人が覚えているでしょう?写っている竹籠ひとつひとつ、竹があって、職人がいて、工房があって、技があった。この現代の竹取物語をどうお伝えすれば良いでしょう?
このチラシに掲載されている土佐伝統の竹籠たち、今でもまったく同じ竹を使い、同じ編み方で、同じ大きさで作り続けられている幸せ、そしてその一方では残念ながら今では編む職人さんがいなくなり消えていった竹籠たち、まっこと色々ぜよ。
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