竹弁当良さの一つは通気性ですが、そういう意味では四ツ目弁当は最強です。竹編みの弁当箱と言えば、ギッシリと編み込まれた網代編みの弁当箱を思い浮かべられる方が多いかと思いますが、四ツ目編みは透かし編みであり対局にあって双璧をなすものなのです。
そんな四ツ目弁当を、しなやかで強い蓬莱竹で編み込んでいます。高知ではシンニョウチクと呼ばれる竹ですが雨が多い土地柄ですので、大水の防災のために川岸に添って植えられているのを良く見かけます。
護岸に役立つ竹というだけでも、その強靱さがお分かりいただけるかと思うのですが、この竹はただ強いだけではありません。株立ちで子供の竹が親元を離れずいる事から孝行竹などとも呼ばれている優しく、思いやりに溢れている竹ながです。
新しく弁当箱を作るにあたり縁巻きを最初は釘留めで試作してもらいましたが少し違和感があります。そこで、やはり藤巻きで仕上げることにしました。定番の形と、編み方で、実にオーソドックスな何の変哲もないような竹弁当に見えます。
ところが、このような国産のいいものを探そうとすると実は意外とお手頃なものがありません。蓬莱竹を使った竹細工自体、全国的に見てもかなり珍しいのです。さらに、そのお弁当箱を手に出来る方はもしかしたら、かなりラッキーな方と言えるのかも知れませんぞね。
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