数年前、小菅小竹堂さんの作品が海外の美術館に渡る前、身近に鑑賞できる最後の機会との事で伺った事がありました。作品は今回お伺いするメトロポリタン美術館はじめアメリカの何カ所かのに運ばれるとの事でした。実は、あの時から、この作品たちが海外で展示されるのを心待ちにしてきたのです。
いつの事になるのは分からないけれど、今こうして手にとって拝見させてもらっている竹たちが世界の檜舞台に上がると、どんな風に見えるのだろうか?必ず行きたいという思いが通じたのか機会は案外早くやってきました。
虎竹バックニューヨーカーは、小菅小竹堂さんが日本の竹を世界に発信するために考案されたデザインを元に復元したものです。竹の特性を活かしきり、バックとしての機能美と量産可能な構造、流通のことまで念頭に置いて編み出された逸品でした。
当時の事を知る詳しい資料はほとんど残されていませんが、同じ技法で製造されていた竹製品を作ってきた職人さんに話を聞く機会が何度かありました。竹が元気だった頃の日本には、いつも眩しさを感じずにはいられません。量産され主にアメリカに輸出されていた事は昨年参加させてもらったニューヨークCOTERIE展で、子供の頃この竹バックで遊んだ思い出のある方に偶然出会ったことからも知れるというものです。
やはり竹は面白い、無限だと思います。ただ感嘆するばかりの竹に生きた偉大な先人の皆様に、今日は会えそうです。
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