Jatobasの竹農場はサンパウロから高速道路を数時間走った山中にありました。虎竹の里の山道で未舗装道路には普通の方よりは慣れているつもりでしたが、身体が浮き上がるほどのダートは初めてです。そんな曲がりくねった道が延々と数キロ続いた先に美しい竹林が広がっているのです。
植えられている竹は南米らしく株立ちの竹ばかりです。グアドゥア・アングスティフォリア(Guadua Angustifolia)も株立ちらしいので、もしかしたらと思いましたがグアドゥアにも種類があるようで別の竹との事でしたが、株立ちでいながら孟宗竹よりも太い稈の竹など日本ではありませんので本当に見応えがあります。
ここでも竹は小さな苗から大事に育てられていました。ビニールハウスで育てている作物を美味しくするためにクラシック音楽を聴かせている農家さんの話を聞いた事がありますが、実はこの農園でもブラジル音楽でしょうか?心地の良いサウンドがずっと流れています。
それにしても、この農園はどこに行っても素晴らしく手入れされています。何でも常に12人のスタッフが竹の管理に当たっているとの事でした。
「Jatoba(ジャトバ)」とは南米北部に分布する樹木で、この立派な木がこの農園の名前の由来との事でした。木陰に腰かけると不思議と心が落ちつきリラックスした気分になってきます。
ところが、このJatobasの竹農場で本当に不思議な事が起ったのです。実は自分はこの農園に来た事がありました。そう言って現地の方に話すと「えっ?ブラジルは二度目ですか?」と聞かれたのですが、そうではありません。
園内を散策している途中で通った両側に竹の生い茂るスロープを何度か通った事があったのです。もちろん現実にではありません、夢の中のお話ですが間違いなく此処でした。この小道に入った途端に思い出し、何度も何度も振り返りながら、確かめながら歩きました。
もしかしたら昔から此処に来る事は決められちょったのかも知れません。
道を下った先には竹が生い茂り、川が流れる音が聞こえてきました。まるで日本の里山にいるかのような光景ぜよ、本当に日本の裏側のブラジルなのだろうか。そんな親しみも感じたJatobas竹農場やったがです。