竹筬と日本唯一の虎斑竹

虎竹、Tiger Bamboo


日本竹筬技術保存研究会では良質の真竹確保のため数年かけて全国の竹林や産地を調査されているようです。虎竹など特別な竹ならいざ知らず、真竹であれば各地の山々にいくらでもありそうにも思われるかも知れませんがこうして探しても、これという素材に出会っていないと言われますので竹山の管理がいかに大切かという事を改めて感じるのです。


竹筬には竹繊維の緻密さが問われます。だから、ただ太く立派で伸びが良いという事ではなく直径が6センチ程度の真竹が良いと伝承されているとも聞きます。良い竹材を確保するためには、適度に伐採しながら荒れた竹林を手入れして健康的な竹が生えてくるようにしなければなりませんが細工に使える適材の竹は3年~4年生なので少なくとも5年間程度は竹の出荷ができないという事になります。


虎竹、Tiger Bamboo


そんな事を考えながら虎竹の里の山道を登っていきます。曲がりくねった未舗装ながら、頂上までトラックが通ることのできる道が続き、その途中には何本もの細い山道が竹林目指して毛細血管のように伸びています。


伐り子さんの高齢化で広い竹林は手入れできていない所も多くなりましたが、それでも100年間こうして竹虎が守ってきた虎竹の竹林の美しさは、世界一良質な竹資源のある国日本でも貴重な存在であることを改めて痛感します。ここに来ると、いつも感じる温もりがあり、安らぎがあります。自分が一番自分らしくいられる場所という事かも知れません。


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