竹皮草履と一言でいいましても、もしかしたらハッキリと竹皮が竹の一体どこの部分なのか?分かっておられない方も少なからずおられるように感じることがあります。竹皮は正確には筍の皮とお話しする方が分かりやすいかもしれませんが、竹林で遊び場にしてきた田舎育ちの自分達からしたら、当たり前の事すぎて当然ご存じと思っている筍の成長のことなども、以外と知られていなかったりするのです。
竹の素晴らしさの一つには、その神秘的な成長力がありますぞね。木のように人が苗木を植えなくても毎年のように筍が生えてアッという間に大きくなり、わずか3年で製品利用が可能!こんな凄い自然素材は他にはありません。
孟宗竹という日本最大級の竹になると、その筍の立派さは圧巻です。地下茎が張り巡らされているとは言え、このような大きなものが地面からドンドン生えてくるとは、よくよく考えたらまっこと(本当に)不思議だとは思いませんろうか?
竹皮に包まれて伸びていく筍ですが、筍から竹になっていく過程で包まれていた竹皮はポロリポロリと剥がれ落ちていきます。一日に120センチも伸びることのある筍ですから数日たてば竹林の景色は全く違うものになっていたりします。
竹皮草履に使う竹皮はこの剥がれ落ちた竹皮だけを集めて乾燥させ、保管して使用しているのです。長く竹林にあると抗菌作用があって腐りにくい竹皮ではありますが、やはり傷みますので収穫の時期になると職人は毎日のように竹林に入り竹皮素材を集めるのです。
竹皮下駄の表に使われている竹皮編みも同じ筍の皮で製作します。下駄の場合には同じ長さ、幅、形の木型ですので、その形に合わせて手業だけで竹皮編みをせねばなりません。竹皮草履職人の中でも特に熟練した職人でなければ作るこのとできない一級品の技ながぜよ。
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