人面竹細工と勝手に呼んでいる竹製品は一本の竹をまるで人の顔のように加工しています。まさに竹仮面ですが、作られている職人さんはご自身の仕事の合間に楽しみでされていると聞いています。
簡単そうに見えて、実はなかなかこの表情を表現するのは大変のようですぞね。同じ細工を何個が見た事がありますが、それぞれ微妙に違いがありつつベースとなる顔立ちがありますので、まっこと(本当に)面白いものです。
さて、ところが先日ひょんな場所で同じ職人さんが作られたという人面竹細工を発見しましたぞね。最初手にした時には、もしかして海外の民芸品かも知れないと思ったりしていましたが、よくよく話しを聞いていて同じ方が製作したものだと知り驚いたのです。
同じ職人さんと知ると遠い異国の細工かと思っていたものが、突然近くに感じられます。どのような竹細工か、どんな作りかも当然大切ですが、誰がどんな思いで作ったのかは更に大切な事です。
煤竹で網代編みされた香入も竹細工としては秀逸であるし素晴らしい技術の生み出したひとつの作品です。しかし、それよりも祖父の代からの作家との繋がり、内側の漆塗りをした作家の人柄、エピソード、竹虎の周りの人達や家族、そんな顔が浮かんでくる品々が実はたまらないのです。
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