靴みがき本舗の技

龍馬ブーツ


龍馬のブーツの事は何度かお話させていただいているかと思います。いつも作務衣でいるので竹虎で製造している竹皮スリッパなど鼻緒の履き物にも普通の靴以上に慣れてはいるものの、やはり冬場の出張等には心配がつきまといます。一度、竹皮下駄で上京した際には思いがけず雪が積もり、電車が全てストップしました。ビチャビチャに濡れた足で雨交じりの雪...電車のホームで凍死するかと思ったほどです(笑)


それ以来、作務衣でも履ける靴を探していて出会ったのが龍馬ブーツだったのです。長崎は海援隊の前身である亀山社中があった所で龍馬とも縁も深い所ですが、その長崎市のドンシューズさんが龍馬のブーツを研究して復元されてと聞いてすぐに注文させてもらいました。


あれから数年、二度靴底を張り替え、片ちびりするカカトは何度もやり変えて履き続けているのです。それでも、そろそろ買い換えないととは今の所まったく思わなくて最近ますます革の風合いがまして足に馴染んできています。


こうして龍馬ブーツばかり履いていますので、たまに手入れもする事があります。実は革靴を磨くのは結構好きで時間のある時には、ほとんど履くことのないシューズや、どうかすると家族のモノまで磨いてしまうほど靴の手入れは楽しいのです。だから靴磨きを見かけますとプロの技術を見習いという思いもあって立ち寄らせてもらう事があるのです。サイドゴアブーツは普通の革靴より少し高くて600円、ちょっとした贅沢な気分にもなります。


先日、前々から気になっていた新橋にある靴みがき本舗さんというお店に入る機会がありました。隣に座って仕上げに入っている方の靴を見ると先端部分が鏡のように輝いていますその方が終わって立ち去った後、


「靴の先を光らせるがは流行っちゅうがですか?」


と聞くと、だいたいの方がこんな感じにされると言うので、それなら自分も東京の人みたいにしてもらおうと思いお願いしてみました。時間は確か20分くらいと少し長めですが靴磨きの方の手さばきを見ていたら全く気になりません。ええっ?もう終わったのかというくらいのアッという間でした。料金は2160円、いつもよりかなり高額です、しかし、明らかに違うのです。自分達の竹も同じ事です、こんな風にお客様に満足いただけるような仕事をせねばなりません。


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