先週からテレビでは大雪のニュースが流れ全国的に荒れ模様のようですが、流石の南国高知も寒さに震えています。高台に上がると、正面に見える焼坂の山に雪が舞って珍しく白く煙っていました。強い風が吹き付けてきます、首に巻いた虎竹里のマフラー(竹虎タオル)をキュッと結び直します。
寒さは苦手です、暑いのには慣れているので出来る事なら一年中、夏でもよいくらいに思っていますが、実はこのキリリとした冷気も大歓迎しています。それは、虎竹の色づきが気温の低さと密接な関係があると言われているからなのです。近年ずっと温暖化傾向が続き、虎竹の色合いが芳しくありませんでした。
山の職人が霜が降りると虎に色が付くと昔から言ってきた事は、科学的な根拠はないと思われてきましたが高知大学の先生等の話によると、どうやら的はずれな事ではなく信憑性が高まっています。虎竹の故郷、焼坂の山を眺めながらこの寒さが虎竹の色づきを助けてくれる事を祈るのです。
雪の一日が終わり夜になると安和海岸の海には美しい月が浮かんでいます。昼間の天気が嘘のように静かで穏やかな月明かりを雲がどこかに流れていきます。
虎竹の里は、本当に豊かな海と山に恵まれた場所です。このような景色に出会う度、「ここほど、暮らしやすい場所はない。」と言う祖父の言葉を思い出します。虎斑竹を日本で唯一育む大自然への深い感謝の気持ちがこもった言葉でした。
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