竹筆というのは歴史が古く昔から愛用されてきた物です。あの堅そうな竹と、柔らかな筆先とが結びつかない方もおられるかも知れませんが、竹は繊維が細かく、しなやかですので筆にするにも適した素材です。
年末に書家の方から素晴らしい書を頂戴する事があり、本当に文字を書くというのはこのような事なのだろうと感じいっていていました。たまに遊び程度に筆を使う自分など本当に恥ずかしくなるのですが元日にはそれでも竹筆で書き初めをします。「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、自分の場合にはかなり選んでしまいます。日頃使うのは初心者にも使いやすい筆ばかり、しかしさすがに年の初めは竹でなければなりません。
この虎竹の筆は思いがけず面白い文字が表れることもあるかわりに、なかなか思い描いたような文字が書けない扱いが難しい筆でもあります。失敗したら又最初からやり直して、またやり直して、ただその繰り返しです。これまでも、そして、この一年も同じなのです。
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