名も無き竹林の逸品道具

 
名も無き竹林の逸品道具


虎竹の里は伐採の季節です、今年は天候が不順だったりしましたがお陰様で年末は好天が続いて仕事もはかどったようです。そんな竹林で使われているなくてはならない道具があるのです。必ず必要であると言われますが、木製のL字型に組まれたこの道具は一体どう使うのでしょうか?


同じ竹林でも山里の平地に生えているものもありますが、虎竹の里の山々はどこも急峻で足場の良くない所ばかりです。そんな場所を歩き回り広い竹林の中で伐り倒した竹を一カ所に集めて山出しせねばなりませんが、急斜面では一本づつバラバラの竹をまとめて結束するのが大変です。


日本唯一の竹林での伐採作業


そこで、活躍するのがこの道具なのです。L字型に組まれた木枠の内側に竹の切り株を突っかけるのです。滑りやすい竹を斜面や急な山道で束にするのは熟練の職人さんでも苦労しますがこうして、この道具を使うと元が揃って一束、一束に結束しやすくなるのです。


日本唯一の竹林にて山の職人


代々受け継がれてきた誰が考案したのかも知れない道具、実は名前がありません。この道50年の山の職人さんに聞いても「知らんにゃあ~」と笑うだけ。まさに、名も無き竹林の逸品道具です。


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