竹炭と木炭の大きな違いは原材料となる竹とクヌギ、ナラ、カシなどの形状の違いがあります。中身の詰まった樹木に対して、空洞のある竹は縦割にして細長い板状にしたものを束ねて窯の中に入れていきます。この原材料の性質の違いが手間や炭焼き技術の難しさにつながるのですが、今回注目いただきたいのは縛るために使われている紐についてです。
竹酢液は竹炭を焼き上げる熱分解時に発生するガス成分と水蒸気を冷やして採取するpH3.0~3.1の酸性の液体です。だから原材料の竹材は当然ですが割った竹材を結束する場合もビニール紐など使用せず自然素材の麻紐を使います。
竹炭の初期段階では水煙と呼ばれる水分を多く含んだ煙が出るので排煙口の温度で約80~150度の「きわだ煙」と言う煙からだけ竹酢液は採取されます。この時の竹炭窯の中の温度は350~425度と言いますが、さらに窯の温度が上がり青くなってくる煙にはタール分が含まれてきますから品質の高い竹酢液のためには、この温度帯での採取を守る事が非常に大事なのです。
大きな炭窯ではありますが、このように細やかな管理をして最高級の竹炭を焼き上げ、竹酢液を生産する中では、たとえ紐一本といえどもこだわり抜かれていることに感銘します。
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