孟宗竹で製作された名人作耳かき

孟宗竹名人作耳かき


昨日は虎竹耳かきの色合いの違いのお話しをさせて頂きましたが、今日は孟宗竹(もうそうだけ)で耳かきを製作したお話しをさせて下さい。孟宗竹は日本最大級の竹であり、普通の方々が最も目にする機会の多い竹と言ってもよいかと思います。稈も太く、20数メートルの高さがあるなど、600種類を越える日本の竹類の中でも一際存在感のある竹なのです。


ただ、筍は食用として重宝されたり、丈夫さや身の厚みをから身近にいる竹職人さんは竹ざるや竹籠の骨部分、あるいは竹家具に使用する竹集成材、そして竹炭、竹粉などへの活用は盛んにされていますものの、その竹林面積の広さに比べ細やか竹細工にはあまり使われてはいない竹でもあります。


孟宗竹名人作耳かき(漆仕上げ)


名人作耳かきは虎竹と真竹で製作されているのですが、真竹の材料がなくなったのでこの孟宗竹で数本試作をしてもらいました。握り部分に厚みがあり持ちやすいと評判の耳かきなので素材としては申し分がありません。出来上がったモノは、やはり美しく、自分用にと1本には漆まで塗ってもらったほどでしたが、今までの真竹耳かきをご存じの方の中には使い心地が微妙に違うと言われる事もあるかもです。つまり、真竹製に比べ孟宗竹耳かきは微妙なしなりが少ない感じなのです。


個人的には堅めの耳かきをいつも愛用していますので全く問題ないのですが、細く割った材料だけご覧いただくと、どちから見分けが付かないような孟宗竹と真竹でも、その出来上がりの特性が違うとは、本当に面白いのです。


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