あれは、かぐや姫が生まれた竹かっ!?光輝く竹

輝く孟宗竹


前方に光輝く竹が見えます、遠くからでもハッキリ分かるくらい明らかに他の竹達とは違う光を放っているのです。これはっ...!?一緒に山道を歩いて来られた方も目を見張る竹が一本、二本、三本...。自分達はここにいるよと、光ながら呼び寄せているようにも思えてきます。


山の中で、これだけ白く浮き上がるかのように輝いて見えていれば、竹取の翁でなくとも思わず近づいてみたくなりますぜよ。天気の悪い日には竹林に入ることは珍しいのですが、雨にしっとりと濡れた竹や樹木の中で明るく輝いて見える竹は孟宗竹の若竹たちでした。


虎竹の里、孟宗竹


今年生えたばかりの孟宗竹も夏前になれば大人の竹と見分けがつかないほど立派に成長しています。ところが若竹には細かい産毛のようなものが表皮部分に残っていて、湿気の多い日には水分が細かい気泡を作り、それが白く光っているように見えるのでした。


竹が黄金色に輝くなどと言うことはありえないおとぎ話の世界ですが、このような自然の竹の姿をみた古人がヒントを得て、竹取物語を創作したと考える事もできるのではないかと思うのです。7月7日といえば梅雨のシーズンで全国的に雨の日も多いです、このような季節に竹林に来た翁がかぐや姫を見つけるというストーリーは筋が通っているように思え、かぐや姫7月7日誕生日説が俄然信憑性をおびてくるように思えはしないでしょうか。


孟宗竹(もうそうたけ)


ただ、実の事を言いますと孟宗竹が中国から日本に渡ってきたのは比較的歴史が浅くて江戸時代の事ぞね。竹取物語が書かれたのが平安時代初期ですので、当時孟宗竹は日本になかったという事になり竹取の翁が切っていたのは真竹か淡竹(はちく)だと思います。


真竹は虎竹の里には少ないのですが、真竹であっても淡竹は若竹であっても、孟宗竹のように雨の日に白く輝いて見えることはありません。つまり竹取の翁が出会った光る竹も、かぐや姫の生誕日の秘密も、遠いロマンの彼方のお話しで永遠の謎なのです。しかし、その謎に限りなく迫るほどの神秘と驚異の孟宗竹の輝きでありました。


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