新米の季節、米とぎざると虎竹タガのおひつ

米とぎざる


毎年新米の季節になると、竹職人さんや内職さんからお米をいただくことが多くなり本当に有り難いのです。虎竹の里から西に向かって車で30分くらい走った場所には仁井田米という高知で有名な産地があります。盆地になった地形が寒暖の差となってお米の味をよくするといいますので、虎竹が虎竹との里でしか成育しないように、植物にとってはその土地の力、気候が品質に大きく影響している事が分かります。


最近、炭の力を活かした炊飯器が登場していて人気のようです。遠赤外線の効果でお米の芯まで熱が入り、ふっくら炊きあがるとの事ですが、美味しいお米をいただいた時には米研ぎざるにもこだわりたいもの。前なら普通にあった何でもない竹笊の美しさに、少しづつ気がついて下さる方々がおられるのは嬉しい事です。


虎竹タガおひつ3.5合用


四国産杉材を使い接着剤として昔ながら米のりを使い丁寧に手削りで仕上げられたおひつ。虎竹のタガをはめるとキリリッと引き締まった全く違った表情になります。炊きあがったご飯を入れると杉材が余分な水気を吸収したり、戻したりするので昔はおひつでお米を保存するのが普通でした。保温ジャーの登場で、今ではすっかり見かけなくなりましたが、たまには昔を思い出して戸棚から出してみるのです。


竹炭の原材料と不思議な世界

飾り竹炭


日本唯一の虎竹も全てに綺麗な虎模様が入っているという事ではなく色合いが薄かったして一級品として使うことのできない虎竹も沢山あるのです。そのような竹を丸竹のまま竹炭に焼いたものが飾り竹炭と自分達が呼ぶ竹の形そのままに高温で焼き上げられた竹炭なのです。


竹虎四代目


竹節部分など竹の形そのままの風合いが残り、艶のある銀色の輝きなど素晴らしい出来映えですが窯入れする原料の竹と比べるとどうでしょうか?かなりの曲がり、そして細くなっているのがお分かりいただけますでしょうか?竹は焼き上げられる過程で曲がり、捻れが生じ、サイズも長さにして10%程度、直径ですと50%近くも縮んでしまうのです。


竹炭原料


通常の竹炭は太い孟宗竹を一定の幅に割って焼き上げます。原材料の割竹といえばこのような割幅と厚み、竹虎の最高級竹炭をご愛用の皆様でしたらお分かりかと思いますが意外と元の竹は大きいものなのです。


最高級竹炭


焼き上がって一枚づつサイズにカットされた竹炭を皆様はご覧になられるので元々の竹もこのような大きさと思われる方が多いようです。しかし、その実、こんなに大きな竹材が800~1000度の猛烈な炎の熱さによってギュッと凝縮されて焼き上げられ、水分もすっかりなくなって伝導率の良い、金属音のする炭に変化しています。考えたら不思議な竹炭の世界であります。


NHKテレビ番組「四国羅針盤」本日10月28日(金)午後7時30分放送されます

NHKテレビ番組「四国羅針盤」竹虎工場


NHKテレビ「四国羅針盤」本日10月28日(金)午後7時30分からの番組の中で竹虎の取り組みが紹介されます。実はこの番組は地元に密着した興味深い内容を取り上げてくれますので、たまに観ることもある面白い番組なのです。羅針盤とはコンパスの事であり、これからの四国の進んでいく方向を指し示すというような意味あいかと思っています。


大きな流れの中で、自分達の仕事など本当に小さいものではありますが、港から太平洋の大海原に船で漕ぎだす時、どこに向かうのか考えていない船長さんはいないと思います。必ず行き先を決め、一緒に船に乗る人たちと共有し目的地を目指していきます。


虎竹の里の山道


だから、竹虎もささやかではありながらも、これから虎竹の里の向かう道筋をしっかりと見極めて竹のように真っ直ぐに進んでいきたいと思っています。そんな事を考えていたら足が向くのは日本唯一の虎竹の林、毎年シーズンになれば虎竹が伐採され運び出される曲がりくねった急峻な山道が続きます。


竹虎の歩む道も、この細く厳しいに行程がずっと続いていくのかも知れません。しかし自分が今歩くこの道は、かって父も祖父も、そして100年前に遠く大阪から虎竹を求めてやって来た曽祖父も同じく通った道なのです。


ポーラス竹炭の利用方法について

ポーラス竹炭


以前、ポーラス竹炭のことをお話しさせていただいた事があります。ポーラスとは「多孔質体」の事でポーラス竹炭とは孔の多い竹炭ということになりますが、元々備長炭の3~5倍とも言われる竹炭の孔の表面積がさらに多いのではないかと思わせる質感ですので農業利用はもちろんですが消臭や調湿機能には、かなり優れたものがあると思います。


放置竹林が問題となっています、竹林整備などで竹を伐採される光景を度々拝見する事もありますが、その後の竹材利用に決めてがありません。伐ったばかりの重たい竹材を移動させる事なく、その場で、しかも比較的短時間で製品化させる事のできるポーラス竹炭の活用が進めば大きな貢献ができるのではないかと思っています。




エツリ竹と竹伐採時期

エツリ竹、壁竹、小舞竹


土壁の家が建てられることは本当に珍しくなっていますが、この土壁の中に割竹が格子状に組まれて入っているのをご存じでしょうか?壁に使われる割竹なので壁竹と呼ぶ事が多いのですが、職人さんによってはエツリ竹、小舞竹等とも言われる事があります。竹にも色々な呼び名があるのだと思われるかも知れませんが、家屋の柱と柱の間に使う強度の高い幅広の割竹をエツリ竹と言い、そのエツリ竹に小舞竹という幅の狭い竹を留めていって壁の下地が出来上がるのです。


日本唯一の虎竹は全てに虎模様が入っている訳ではなく、色つきの悪い竹もありますので一本ごとに選別して選り分けられます。色つきの悪い竹をかってはこの壁竹用に3メートル切りして割竹にしていました。いくら割りやすい竹とは言えこの長さの竹を均一に割っていくのは大変な労力ですので専用の竹割り機械があります、大きな音をたてながら一日に小山になるほど製造していたのです。


エツリ竹、壁竹、小舞竹


「昔はエツリ竹専門の職人がおって、竹を伐る時期を曾じいさん達が習いよった」


そんな話を職人さんに聞かせてもらいます。竹は旬が悪いと品質が落ち、虫が入ったりするので伐採のタイミングは大事です。その昔エツリ竹は、お城や武家屋敷などでも多用していました、今で言うなれば軍事拠点のような施設です。そんな重要な場所で使用する竹に虫が食ったりすれば一大事、まさに切腹ものだったとも聞きますので、竹伐りの時期に一番厳しく真剣に管理されていた職種のひとつだったろうと思います。


代々竹専門でやられてきた職人さんが、エツリ竹の職人に竹伐採時期を教わるというのにも、なるほどと納得できるのです。


青竹酒器は生鮮食品のよう

青竹(真竹)酒器セット


美しい青竹は清々しく気持ちの良いモノです。一説にはこの竹の青さと、切り口の白さの対比は日本人が一番好きな色合いとも言われていますが見ていると本当だなと納得してしまいます。


青竹(真竹)酒器


大切な節目の時にこのような青竹酒器で杯を酌み交わすのは最高です。この酒器には大きな空気穴があり清酒を入れやすく、注ぎやすいように工夫されています。


料理屋さんやホテルさんに頼まれて青竹をご用意させていただく事もありますが虎竹の里の竹は当然虎竹ばかりで、青々とした真竹は殆どないので伐採するのに苦労した覚えがあります。それが他の地域では車で少し走って見ただけで、真っ青な真竹の林が広がっていたりして本当に竹と言うか植物の地域性というのは面白いものなのです。


青竹(真竹)盃


しかし、この青竹の色合いは長く保つことはできません、切り口からどんどんと色が抜け青さが薄くなっていきます。長く使うほどに飴色に深まり渋さの増す竹とは正反対に、青竹の場合はまるで生鮮食品のよう、伐りたてが一番美しく瑞々しく食器として使うのには時間との勝負です。


料理人の方などは出来るだけこの青さをそのままにしようと冷凍庫などに安置されていますが、少し時間を遅らせるだけで、その効果はあまり芳しくありません。そういう意味では竹林整備などで伐り倒した竹を、その場で器に利用されている所を拝見した事がありますがこれが最も贅沢で竹の良さを楽しむ方法であるようです。


ストレートネック・スマホ首用の竹首まくらとは?

ストレートネック・スマホ首用の竹首まくら


ストレートネックとか、スマホ首とか言われる症状をご存じでしょうか?首は人間の身体の中でも非常に大事な部分なのですが、この首の骨はカーブを描いて頭部の重さや運動の衝撃を身体全体に分散させてくれているそうです。


ところが、最近はスマホを一人一台手にして時間があれば覗き込まれている方も少なくないようです。都会に出張に出かけた時に電車に乗ってふと周りを見てみると、ほとんどの方がスマホをされていてビックリした事がありますが、若い学生さん等にも長時間この姿勢でいてスマホ首になり頭痛、肩こり、不眠症などに悩まされる方も多いと聞きます。


ストレートネック・スマホ首用の竹首枕


極太孟宗竹を厳選して製作したストレートネック対策用枕は、竹の丸い曲線と竹ならではの清々しい感触が特徴です、毎晩使って手放せないという社員もいますが、ご愛用いただくお客様からも


竹首まくらを購入しました。頸椎のストレッチ用として使っています。理想的な形なので、大分ストレッチの効果があり、また感触がひんやりしていて気持ちが良いです。長年悩まされてきた首のコリも緩和されて、つくづく買って良かったと満足しています。(ツイゲルビ様)


この枕は骨格を矯正してくれるんだな~、と納得です。一晩寝てみて、朝目が覚めると、いつもの首や肩のこりが全くない!!とびっくり。これまで時々整体に行ってましたので、約1ヶ月使用した頃、また整体に行ってみました。ところが、施術中、いつもの気持ちいい~が感じられないのです。これは、竹枕で寝ることで整体の施術の効果を得ているからだと思いました。竹枕に出会えた私は幸せ。竹虎さん、ありがとう。 ( くーちゃん 様 )


等と嬉しいお声を頂いています。竹の力が現代人の悩みの解決に役立ては本当にこれほど喜ばしい事はないのです。


ストレートネック・スマホ首用の竹首まくら


雑誌「mono モノ・マガジン」地方創生ブランド高知県特集

雑誌「mono モノ・マガジン」地方創生ブランド高知県特集


雑誌「mono モノ・マガジン」と言えば男性の方に中には一度は本屋などで手に取ったことのある本ではないかと思います。ファッションから生活、趣味まで様々なこたわりのモノを発信し続けられている中で今まではこのような企画はなかったかと思いますが地方創生ブランドとして各県の特別記事を掲載されているのです。


雑誌「mono モノ・マガジン」


情報満載で何と6ページもの誌面を割いて、このような雑誌が地方特集をされるとは本当に地方の時代と言われていますが、いよいよその波は本物なのか?と考えたりします。


雑誌「mono モノ・マガジン」地方創生ブランド高知県特集


15回目となる今号は高知県特集、南国土佐は東の室戸岬から西の足摺岬まで太平洋に両手を広げるような形で長く伸びている県ですが、その広い県を東西にわたり所狭しと詳しく載せていただいております。竹虎の名刺入れ、虎竹ランチボックス、虎竹電気自動車竹トラッカーも大きくご紹介いただいて本当に感謝です。


温暖化と虎竹の里

虎竹(Tiger Bamboo)


地球が温暖化という事をテレビや新聞でご存じかと思います。衝撃だったのは北極の白クマが氷が少なくなったせいでエサであるアザラシ漁ができず、ガリガリに痩せ細ってしまっている画像です。1℃や2℃くらい等と呑気な事は言うていてはいけないようです、地球規模でのその温度の上昇は本当に大変な気候変化なのです。


虎竹(Tiger Bamboo)


しかし自分も正直、何年も前から温暖化か叫ばれていながらも、そう緊急な問題のようには思っていませんでした。ところが、近年ずっと虎竹の色づきが芳しくありません。原因は分かりませんが、土地の古老の言い伝えに「虎竹は霜が降りると色がつく」と聞いた事があります。実はずっと迷信か何かだと思っていたのですが、虎竹の里にも霜が降らなくなり、自分の小さい頃には庭で雪合戦ができるほど降っていた雪もさっぱり見られなくなるに従い虎竹の色合いが良くなくなってきるように感じています。


虎竹の里、虎竹(Tiger Bamboo)


どうやら虎竹の色づきと寒さというのは何らかの関係があるようですが、とにかく伐り出される虎竹の中から、一等として評価できる色づきの良い竹は年々少なくなってきて、ようやく温暖化の影響を考えるようになっているのです。虎竹は毎年11月、12月頃から伐採がはじまり翌年の1月まで続きます。虎竹の里では、その短い期間に竹を伐り竹を山々から運びだす事が延々と繰り返し行われてきました。今年の虎竹の色づきはどうだろうか?虎竹の製竹を心待ちにしている商品たちが沢山あるのです。


2016年、夏の花火の夜

日本唯一の虎竹自動車(Tiger Bamboo car)


今年の夏は8月1日から竹トラッカーによるチャレンジラン横浜を敢行させてもらったお陰で社員が楽しみにしていた花火大会をキャンセルしてしまっていました。しかし、まあ自分自身も花火やよさこい祭りなど言うている間はなくとにかく11日間、1000キロを無事に走り抜くことだけを、ずっと考えていたのです。


長良川パークホテル山岡社長


ところが、そんなチャレンジランの最中8月6日の土曜日は岐阜に宿泊予定だったのですが、ちょうど全国的にも有数の規模ではないかと言われる長良川花火大会に行き当たったのです。岐阜市内では一年で一番ホテルが取りにくい日らしく何処も空いている部屋はありません。


困っている時に助けてくれたのが長良川パークホテルの山岡社長。実は、明徳中学の寮生活で一番最初に同室になった友人でした。決して広くはないですが、夜に到着して数時間休み早朝4時前には出発するというハードスケジュールを繰り返していた時でしたので横になって休めるだけでも本当に有り難かったのです。部屋のすぐ下には充電できる屋根付きの車庫もあり竹トラッカーも安心して置いておけるのも嬉しかったです。


長良川花火大会


しかも、こちらのホテルでは屋上に大浴場があるとの事で疲れきった自分には天国のような気持ちでお風呂に向かいました。花火の最中だけあって入浴してしたのは一組の家族連れだけでしたが、ここにはなんと外にも広い露天風呂があり更に素晴らしいことに長良川で打ち上げられている花火がお湯に浸かったまま見る事ができます。河川敷には、数十万人という人がギッシリと並んで空を見上げている事を思うと何という贅沢でしょうか。湯船から撮った一枚の写真がこの夏の花火の全て、しかし色々な思いと感謝が凝縮しているように思うのです。


孟宗竹で製作された名人作耳かき

孟宗竹名人作耳かき


昨日は虎竹耳かきの色合いの違いのお話しをさせて頂きましたが、今日は孟宗竹(もうそうだけ)で耳かきを製作したお話しをさせて下さい。孟宗竹は日本最大級の竹であり、普通の方々が最も目にする機会の多い竹と言ってもよいかと思います。稈も太く、20数メートルの高さがあるなど、600種類を越える日本の竹類の中でも一際存在感のある竹なのです。


ただ、筍は食用として重宝されたり、丈夫さや身の厚みをから身近にいる竹職人さんは竹ざるや竹籠の骨部分、あるいは竹家具に使用する竹集成材、そして竹炭、竹粉などへの活用は盛んにされていますものの、その竹林面積の広さに比べ細やか竹細工にはあまり使われてはいない竹でもあります。


孟宗竹名人作耳かき(漆仕上げ)


名人作耳かきは虎竹と真竹で製作されているのですが、真竹の材料がなくなったのでこの孟宗竹で数本試作をしてもらいました。握り部分に厚みがあり持ちやすいと評判の耳かきなので素材としては申し分がありません。出来上がったモノは、やはり美しく、自分用にと1本には漆まで塗ってもらったほどでしたが、今までの真竹耳かきをご存じの方の中には使い心地が微妙に違うと言われる事もあるかもです。つまり、真竹製に比べ孟宗竹耳かきは微妙なしなりが少ない感じなのです。


個人的には堅めの耳かきをいつも愛用していますので全く問題ないのですが、細く割った材料だけご覧いただくと、どちから見分けが付かないような孟宗竹と真竹でも、その出来上がりの特性が違うとは、本当に面白いのです。


名人作の虎竹耳かきの色々

名人作の虎竹耳かき(Tiger Bamboo)


日本唯一の虎竹には、どうして虎のような模様が現れるのか科学的な事にハッキリした事は分かっていないのです。虎竹の里の山々にいる特殊な細菌の作用と大学の研究者の方が言われた事がありますが、確定的なことではありません。毎年シーズンになって山から伐り出される虎竹達の色づきは全て違っており、人の力の及ばない不思議な世界なのです。


名人作の虎竹耳かき


細い竹ヒゴに取ったとしても複数の竹材を使って籠や笊に編む場合には、それぞれの色合いの違いが面白みや深みともなますが、この名人作耳かきのように細く割った竹そのままに製作していく細工では色合いが極端になる事も多々あります。


名人作の虎竹耳かき(Tiger Bamboo)


名人作虎竹耳かきは、元々身の部分が厚くない虎竹を厳選して太めの使いやすい握りに製作されています。一本の虎竹でも局部的に見れば表裏で真っ黒になっている箇所もあれば、虎模様の箇所、色づきが薄い箇所がありますが、身の厚みを優先させている事もあって、こうして並べてみるとバリエーション豊か、まるで違う竹の種類かと思ってしまう方もおられるかも知れません。


化学物資の吸着、シックハウス対策の竹炭

化学物資の吸着、シックハウス対策の竹炭


竹炭と一口に言っても実は色々な種類があるのをご存じでしょうか?炭焼き窯の種類によっても色々と違いますし、焼き方も違うのでポーラス竹炭のように数時間で焼けてしまう竹炭もあれば、竹虎の飲料用・炊飯用最高級竹炭のように2週間という時間をかけてじっくりと焼き上げる竹炭もあるのです。


燃焼温度でも竹炭はまったく違うものになります。だいたい700度を境に高温、低温と呼ばれますが800度~1000度もの高温で焼かれた伝導率の高い竹炭というのを聞いた事がありませんでしょうか。叩くとキンキンと金属音のような音のする竹炭で、かってはこの音を利用して竹炭風鈴などという商品を作る職人さんもおられたほど素晴らしい音色を奏でるのです。


孟宗竹


高温の竹炭は焼き上げるのが難しく価格的にも高額になりがちなのですが全てにおいて高温の竹炭が優れているかというとそうではありません。400度程度の昔ながらの土窯で焼かれた竹炭は、比較的柔らかく伝導率のなどは低いもののアンモニア臭などの吸着、湿度の調節には優れた機能を発揮しますので消臭用竹炭として人気があります。一方、高温で焼かれた竹炭はホルムアルデヒドなどシックハウスの原因となる化学物質の吸着が得意なのです。


最高級竹炭


最高級竹炭は均一の幅に揃えた竹炭を焼いていますが、それを四角い形にカットしていきます。その過程で形や色合いの少し悪いもの、カケなどあるものは全て二級品に落とされます。見栄えは良くなくとも性能は最高級そのもの、シックハウス対策用に使われる竹炭はこんな竹炭たちです。


大好きな茶碗籠、色づいてきた

茶碗籠


実りの秋は山の色づきが楽しみな季節でもありますが、淡竹(はちく)で編まれた茶碗籠も知らないうちに良い色合いに変わりつつあります。籠本体は竹表皮を残して編み込まれていて、口巻き部分は表皮を薄く剥いだ磨き加工の竹で仕上げられています。それぞれの竹表皮より磨き部分の竹の色合いが飴色に早く変わっていきますので、この色合いの違いが竹籠を使う一つの楽しみでもあるのです。


茶碗篭に入った食器


少し浅めの淡竹茶碗籠ですがカップ、ソーサーが3客、湯飲み茶碗を6個入れてみましたが、まだまだゆとりの収納力、足付きで底中央部分に向かってゆるやかなアーチ状の構造で通気性抜群、懐かしい時代の日本の台所にタイムスリップしてホッと心和みそうなのです。


茶碗かご


国産の竹皮おにぎり弁当

国産竹皮(日本製)


竹製弁当箱というと網代編みや角物の弁当箱を思い出される方が圧倒的だと思うのですが、実はもっと簡単で昔から日本人に愛されてきた竹皮弁当を見逃してはいないでしょうか?


竹皮とは竹虎でも竹皮草履などに使う筍の皮の事。筍は1日に120センチも伸びることもあり、わずか3ヶ月で20数メートルの親竹と同じ高さまで成長しますが、その過程で被っていた皮を次々と落としながら伸びていくのです。この皮が竹皮で、水にも強く抗菌性などもある事から、古くからずっと食品の包装材として使われてきた素材なのです。昔はお肉屋さんに行くと、この竹皮で包んでもらう事が普通でしたし、今でも一部の高級ブランド牛には国産天然の竹皮が使われています。


昨今、竹皮も国外からの輸入商品が多くなり以前と比べると職人さんの数も少なくなっていますが今でも国産竹皮にこだわり生産をつづける職人さんは残っていて美しい竹皮を生産し続けられていることは本当に頼もしい限りです。


竹皮草履に使う素材の場合、竹皮は細い短冊状に裂いて編んでいきますので竹皮の大きさ、色合いに等にはあまり細かいこだわりはありません。もちろん、採取時期が限られているので集める苦労は同じなのですが食品包材用竹皮は、更に細かいサイズ、見栄えの綺麗さなどがあり本当に大変なのです。


たかが竹皮一枚ではありますが、最後に縛る竹紐も竹皮の端を細く裂いて使う先人の知恵を思いながら一度お使いいただきますと、その簡単さ、便利さを感じていただける竹皮おにぎり弁当です。食材を直接包む包材ですので国産をご愛用いただきたいですし、何気ない薄い一枚、ところが、その裏には素晴らしい職人の技が隠されています。食欲の秋に、一度挑戦されてはいかがでしょうか?


朝日新聞の海外版にも竹トラッカー掲載ぜよ

朝日新聞国際版


朝日新聞の国際版に紹介いただいた竹トラッカーは、電気自動車である事、虎竹が地域限定の虎模様の竹である事、日本の伝統的な竹編み技術を駆使して製作された事などが記載されています。


昨日にお話しさせていただきました雑誌「季刊地域」などでもそうですが、竹トラッカーの製作、横浜まで1000キロ走破したのは8月の事ですのに、こうして今でも話題に取り上げていただける事は本当にありがたい事だと思っています。


竹トラッカー(Tiger Bamboo car)


虎竹の不思議な色合いは科学的には土中の細菌の作用とも言われてはいますが、本当の所は何ら解明されてはいません。竹細工は本当に小さなお箸から花籠、ざるなど大きさも様々ではあるのですが、大人が二人も乗り込める自動車のようにスケール感のあるものになれば、虎竹模様の竹の存在感は圧倒的なのです。


海外の方に日本への印象を聞いてみると「竹(bamboo)」と答えられる方も多いのですが、竹への関心は身近に沢山ご覧になられているはずの日本国内よりも海外での評価が高いと感じることがあります。国際版をご覧になられた方が、更に日本への関心や竹への興味を持っていただく契機となれば嬉しいと思っています。


農山漁村文化協会発行の雑誌「季刊地域」

農山漁村文化協会発行の雑誌「季刊地域」


「季刊地域」という面白そうな雑誌に掲載いただきました。発行が農山漁村文化協会となっていていますが地方の農業、林業、漁業の現状や課題、試みを写真を沢山まじえながら分かりやすく、読みやすい本になっています。この雑誌の今回の特集が「むらの足最新事情」なのです、都会に暮らす方には、もしかしたらあまり実感がないかも知れませんが過疎化の進む田舎ではご高齢の方の移動手段が大きな問題の一つとなっていると日頃から感じる事が多々あります。


竹虎の内職さんの中にも50CCのスーパーカブや自転車を毎日の足にされていた方が何人かおられました。元気に道を走る姿を当たり前のように思ってきましたが、やはり寄る年波に勝てずバイクに乗れなくなります。そうすると途端に通院や毎日の買い物にも困ってしまいます、虎竹の里の場合ですと各駅停車の汽車を待てる時間があればJR安和駅があり、国道にはバスもあります。


しかし、公共交通がもっと少ない急な坂道が続く山間地域では更に不便な状況がありますので乗り合いバスが走ったり、定期的に移動スーパーが来たりと対策が取られています。「田舎のモビリティこそ最先端」と書かれてましたが、本当にこんな電気バスが活躍しているのかと知らない事ばかりでビックリしてしまいます。ただ、通院や買い物だけでなく、ちょっとした移動の足代わりになる乗り物も必要との事でご高齢の方でも簡単に乗ることのできる小さなエコカーもいつくか出来ているようで、今回の特集で紹介されています。


農山漁村文化協会発行の雑誌「季刊地域」


中には自分もたまに見かける電動カートも掲載されています、近場を走るだけなら1回の充電で45キロも走行できれば十分だと思いますので購入にも維持費も安価な電気自動車やソーラーカー、電動アシスト機能付き三輪自転車などか多いですが、そんな中でこの夏、高知から横浜まで1000キロ走破した竹トラッカーも紹介いただいているのです。


竹トラッカーは2人乗りできる電気自動車としては市販されている唯一のものではないかと思いますが、富山にある光岡自動車さんのLike-T3が本体部分のベースとなっています。他のエコカーに比べるとパワー、機動力もあり、かなり高性能な部類に入るのではないでしょうか。自分達が虎竹の里に来られたお客様を乗せて竹トラッカーで田舎道を走りたいと思っているように、全国の田舎で活用されるまさに「むらの足」という表現はピッタリなのかも知れません。


淡竹と孟宗竹の美しい大きな竹ざる

竹ざる


一目で惹きつけられるような竹ざるには、そうそう出会うことはありません平らな編み込みがシャープで何とも格好が良いのです、しかも65センチと大きく存在感抜群。日本唯一の虎竹は何を隠そう淡竹(はちく)の仲間、だから淡竹の籠と聞くだけで心躍ってしまうのですがこの竹ざるも、一般的に竹細工に使われる事の多い真竹で編まれたものではなく何と淡竹製だと言うので最初は本当に驚きました。


竹笊


祖父から父から教わったという竹を、今に伝えている伝統の職人さんの中には淡竹で竹籠を編む方は数名おられます。しかし、それぞれ編まれる籠は概ね無骨な印象のものが多く、どちからと言えば堅牢さを売り物としていますがこの竹ざるは力強さ、丈夫さに加えて、緻密さと繊細さを兼ね備えた竹ざるなのです。


竹ザル


鍛え上げられたアスリートの身体が無駄のない美しさであるように、生活の中で鍛えられた竹ざるにも一切余計なものがなく、ただただ美しいのです。


体育の日の竹弁当箱

白竹三段弁当箱製造


今日は体育の日、全国的に運動会が開催される所も多いようです。高知も朝から気持ちの良い秋空が広がっていてスポーツには絶好の一日になりそうで楽しみにされているご家族の方もおられるかと思いますが、このような、おじいちゃん、おばあちゃんから三世代揃って青空の下で頂くランチタイムに人気となっていますのが白竹三段弁当箱ぜよ。


虎竹二段ピクニックバスケット


四角い形の竹籠を「角物」と呼びますが、角物細工は二段、三段と重ねられる使い勝手が良さもありまた、通気性、湿気がこもらず美味しくお弁当がいただけるのです。涼しくなってきて仕事の効率は良くなったとは言え、熟練の技を必要とする弁当箱作りは時間がかかります。現在、日本唯一の虎竹製の角物は竹素材がなくなっていて又今年の新竹の伐採がはじまり、製竹作業の進む来年以降になりますが白竹弁当箱の製造はコツコツと丁寧な仕事が今日も続いています。


帰ってくるか?ちょいワル雪駄

ちょいワル雪駄


ちょいワル雪駄は惜しまれながらも製造する事ができなくなって早くも3年近くが経とうかという商品です。昔ながらの良品が、必要とされながらも無くなっていく理由は色々とあるかと思いますが、この雪駄の場合にはまず一足づつ手仕事で製作される職人さんの高齢化、特殊技術を要する雪駄なので、この技でないと出来ないという技がある事。


そして、もう一つ商品が製造できなくなる理由がそれぞれの部材の調達が困難になることです。ちょいワル雪駄で言うと底材は自動車のタイヤを再利用する形で製造してくれていた職人さんが同じく高齢化、そしてラジアルタイヤの普及等で昔は安価に流通していた雪駄底の加工業務が出来なくなり今までと同じ部材は手に入らなくなった事などがあります。


ちょいワル雪駄


ちょいワルの名前の通り、男性の方にジーンズなどに合わせてラフに履いて頂きたいので底材は大事です。代替品をアレコレと探していましたがタイヤ底のようなタフな耐久性、重さ、質感のものが無く、こんなに長い間製造できない状態が続いていたのです。


ところが、どうしても欲しい...お客様からのお問い合わせも、もちろんですが、やはり自分が履き続けていて何とか復刻させたいという思いがずっとありましたので、もう一度チャレンジしてみようと思いだしたのです。


そこで、再度製造元に当たり検討していくと時代の流れや世代交代など様々な壁に突き当たります。本当に復刻というのは時が経つほど大変になってくるものです、たとえ再度製造できるようになったとしてもそれほど製造数は望むことはできないのでコストを多くかける事もできません。


しかし、そうこうもがいているうちに「これなら」と言う素材にようやく出会う事ができました。本当に幸運な事でしたが、それでもまず試しに一足製造してみて自分が履き込んでからでないと納得できませんので今までずっと愛用している、ちょいワル雪駄との履き心地はどうか?はじめて足入れする時には少しドキドキです(笑)


感触は素晴らしいものでした、歩いた感じもイイ。後は、これから色々な路面で試し履きしてみる事、少し気になるポイントが一つだけあるので、そこが解決すれば本当に細々とですが製造が可能かも知れない、そんな光が見えた嬉しい朝です。


竹トラッカーも出展「第5回ものづくり総合技術展」

第5回ものづくり総合技術展


高知県下の製造業が一堂に会します「第5回ものづくり総合技術展」に竹虎の竹トラッカーも出展させていただく事になりましたぞね。狭い高知とは言いましても、「こんな製品を高知の会社が作っていたのか!?」と驚くような製品や世界的なシェアを持つ素晴らしいモノ作りをされている会社様などがありますので来月11月17~19日の3日間、高知ぢばさんセンターでの開催を楽しみにしているのです。


いよいよチラシも刷り上がりました、こういうのが出来上がりますと妙にムードが高まってきますが、果たして竹トラッカーの評価はいかほどのものでしょうか?今回参加させていただく事を決めたのは、もちろん多くの方に特産の虎竹で製作した竹自動車をご覧いただきたいという事が一番ではありますが、この機会に竹虎の職人に社外のお客様の生の声を聞いてもらいたいという思いがありました。普段はあまりお客様に触れる事の少ないモノ作りの現場に、自分が竹トラッカーで走った11日間に聞いた皆様のお声を同じように聞いて欲しいと思っているのです。


普段はブースに立って接客するような仕事は全くしたことのない職人に初めての挑戦とも言えますでしょうか。以前はデパートや催事等でも職人に同行してもらってモノ作りしながらの実演販売なども何度かさせてもらっていました。自分達の毎日の仕事の事です、確かに簡単ではないかも知れませんがその場に立つ事が良い経験となり、これからの職人として製品づくりに必ず活きてくると思っています。


NHKワールドTVの竹虎取材ビデオを観ましたぜよ

竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI、TAKETORA)


NHKワールドTVは日本を映像で発信している番組で世界百何カ国で放映されているそうですので、まさにワールドワイドぜよ。テレビ、ラジオ、インターネットで日本やアジアの今を伝えるニュースや番組を世界に発信していますのでまさに世界中あらゆる所でご覧いただけるテレビと言ってもよいかも知れませんぞね。


そんな番組に取材にお越しいただいていたのが確か7月の後半だったと思います。見た事もないような大掛かりな機材を沢山持ち込まれての3日間、お二人のスタッフが来られちょりましたが、とにかくカメラをずっと回されているのか印象的やったのです。本当に様々な撮り方をされていますので、これが一体どのような番組になっているかと楽しみにしちょりました。


虎竹自動車、竹トラッカー


8月10日が放映日でしたが、ちょうどチャレンジラン横浜の大詰めの時でリアルタイムでは観られず残念ではありましたが、その後にビデオをお送りいただいていたのです。実はビデオが当社に届いたのは先月中頃の事ではなかったかと思いますが、なかなかゆっくり拝見できるチャンスがなく拝見したのは結構後のことになってしまいました。


虎竹の里、竹林


竹林に入った日は雨模様で撮影には向かないようにも思いましたが出来上がった画面を見ると緑がイキイキとして躍動感に溢れた又違った虎竹の里の魅力を感じさせてもらう事ができて嬉しくなってきます。虎竹は淡竹の仲間ですので竹表皮には薄く粉がふいたように見えるのですが、雨に濡れると油抜きしたかのように虎模様が浮き上がりご覧になられた方には分かりやすかったのではないかと思います。


竹虎、山岸龍二


海外向けの放映ですので虎竹の説明も英語ですし、自分達の話す言葉もすべて英語に吹き替えられています。言葉が違うだけで、まるで何処か知らない場所の紹介をされているような錯覚も覚えながら英語圏の方が一人でも多くこの動画に触れ、虎竹の里の事を知ってもらえることを祈りゆうのです。


二段仕様になった一閑張り行李

一閑張り行李(二段)


四ツ目編みで丁寧に作られた四角い箱が出来あがりました。一見すると、なるほど通気性も良さそうですし、このまま使う事もできそうな完成度の高さぜよ。竹ヒゴの節部分に黒く見えるのは焼き留めといわれる歪みどめ。


一閑張り行李(二段)


白っぽく見えているのは竹表皮に近い部分の竹ヒゴを使うのと同時に、更にその内側部分の竹の身部分もヒゴに取って使われているからです。見た目の出来映えが素晴らしいので少し惜しいと思われそうですが、実はこの竹編みの表面にも裏面にも土佐和紙が二重に貼りつけられていきます。


しかし、和紙を貼り終えてみれば竹編みは直接見られはしないもののその、編み込みの形は薄い土佐和紙をとおしてハッキリと確認できますので竹編み職人の腕の良さが直接行李の美しさに反映されるのです。


一閑張り行李(二段)


「一閑」の語源には諸説ありますが耐久性が高くなり一貫目の重さに耐えられるようになるからと以前、何度か催事の売り出しでご一緒させていただいた一閑張り職人さんから聞いたことがあります。おそらく、色々ある中のどれも一理あることばかりであり間違いではないと思いますが土佐和紙を貼り付けた後には柿渋を塗布して防水性、防虫性、防腐性、そして強度を高めます。


特にこの一閑張り行李(二段)は内蓋がついていて、ちょっとした小物も収納できますので使い勝手は抜群ぜよ。


続・青竹踏み、その知られざる健康効果について

青竹踏み


青竹踏みを使うと、とにかく気持ちよく、足のむくみが取れると沢山の方からお声をいただきます。敏感な足裏には、プラスチックやゴムなど人工的な素材ではなく竹ならではの自然な感触が何より効果的なのではないかと思っていますが、足裏の親指側部分である土踏まずの辺りは副交感神経を刺激してリラックスできる場所だそうですし、その足裏少し外側には交感神経を刺激して眠気を取る部分があるそうです。


青竹踏み


相反する効果の領域が狭い足裏に隣り合わせとなっていて面白いものですが、このような事は明確に知らなくとも毎日足をフミフミしていると長時間のデスクワークで疲れた頭がスッキリ冴えてきたり、山道を歩いて疲れた足が楽になったりと、すぐに体感できる効果をずっと感じてきました。


青竹踏み


東洋医学では内臓の異常が足裏に現れるとされていて、丁度中央くらいの所には、すい臓のインスリンの分泌を活発にするツボがあるそうです。インスリンというホルモン分泌が弱くなると高血糖につながると言いますので、青竹踏みでツボを刺激する事により血糖値を下げられるようです。足の裏は第二の心臓とも呼ばれるくらい細かい血管が集まっていることが知られていますので足裏を刺激することにより血圧を下げる効果も期待できると言われています。


血糖値、血圧も高齢になるにつれ気になってくる健康の指標でありますしすい臓は、肝臓と並んで「沈黙の臓器」などと聞きます。自分も自宅と会社にそれぞれ青竹踏みを用意しておいて思った時にすぐにフミフミできる習慣をつけちょります。




青竹踏み、その知られざる健康効果について

青竹踏み


先週から孟宗竹(もうそうたけ)の話題が続いていますが、この竹が国内最大級の竹というだけでなく生産量などから見ても少し古いデータではありますが70%を孟宗竹が占めていました。筍は輸入のものが増えているとは言え、京都や九州などで付加価値のついたブランド化された筍が生産されるなど、まだまだ日本各地で生産されていていますが、ごく一部を除いてこれらの竹は全て孟宗竹です。


竹の新規活用として語られる場合に登場する、集成材、チップやパウダー、竹和紙(パルプ)、竹繊維、バイオマス燃料なども、太くて長さのある孟宗竹を原料として使われていますので日本の竹資源は孟宗竹なしでは考えられないのです。高知の孟宗竹が使われている皆様に身近な例としましてはトヨタのレクサスの竹ハンドルがあります。ミロク製作所という会社様が孟宗竹の集成材から独自の技術で丸いステアリングを製造されていますが、これなどは孟宗竹の工業化の中でも一番進化した美しい製品の一つではないかと思っています。


青竹踏み


竹虎では、やはり特産の虎竹を扱うのが主ですので、孟宗竹は袖垣の芯材として使用するくらいしかありませんが、孟宗竹の青竹踏みは多くの皆様にご愛顧いただく商品の一つです。レクサスのハンドルとは随分と違いますが、こちらの製品はより安価なものでもあり毎日の暮らしの中で役立てるものですから、より多くの方にご愛用いただき竹を一人でも多くの方にお届けできるという点では素晴らしい竹製品であると思いよります。


さらに、明日はこの青竹踏みの健康効果についてお話しさせていただきますぜよ。




あれは、かぐや姫が生まれた竹かっ!?光輝く竹

輝く孟宗竹


前方に光輝く竹が見えます、遠くからでもハッキリ分かるくらい明らかに他の竹達とは違う光を放っているのです。これはっ...!?一緒に山道を歩いて来られた方も目を見張る竹が一本、二本、三本...。自分達はここにいるよと、光ながら呼び寄せているようにも思えてきます。


山の中で、これだけ白く浮き上がるかのように輝いて見えていれば、竹取の翁でなくとも思わず近づいてみたくなりますぜよ。天気の悪い日には竹林に入ることは珍しいのですが、雨にしっとりと濡れた竹や樹木の中で明るく輝いて見える竹は孟宗竹の若竹たちでした。


虎竹の里、孟宗竹


今年生えたばかりの孟宗竹も夏前になれば大人の竹と見分けがつかないほど立派に成長しています。ところが若竹には細かい産毛のようなものが表皮部分に残っていて、湿気の多い日には水分が細かい気泡を作り、それが白く光っているように見えるのでした。


竹が黄金色に輝くなどと言うことはありえないおとぎ話の世界ですが、このような自然の竹の姿をみた古人がヒントを得て、竹取物語を創作したと考える事もできるのではないかと思うのです。7月7日といえば梅雨のシーズンで全国的に雨の日も多いです、このような季節に竹林に来た翁がかぐや姫を見つけるというストーリーは筋が通っているように思え、かぐや姫7月7日誕生日説が俄然信憑性をおびてくるように思えはしないでしょうか。


孟宗竹(もうそうたけ)


ただ、実の事を言いますと孟宗竹が中国から日本に渡ってきたのは比較的歴史が浅くて江戸時代の事ぞね。竹取物語が書かれたのが平安時代初期ですので、当時孟宗竹は日本になかったという事になり竹取の翁が切っていたのは真竹か淡竹(はちく)だと思います。


真竹は虎竹の里には少ないのですが、真竹であっても淡竹は若竹であっても、孟宗竹のように雨の日に白く輝いて見えることはありません。つまり竹取の翁が出会った光る竹も、かぐや姫の生誕日の秘密も、遠いロマンの彼方のお話しで永遠の謎なのです。しかし、その謎に限りなく迫るほどの神秘と驚異の孟宗竹の輝きでありました。