亀甲竹は自分のブログでも度々登場する銘竹のひとつです。小さい頃に良く観ていた時代劇「水戸黄門」でご隠居様が旅のお供に常に携帯していた杖がこの竹になりますが、見た目のユニークから工場にズラリと並ぶ竹の中でも一際目立つ存在であり親しみがあります。
竹には、とことん凝り性だった祖父が亀甲竹を柱にした袖垣を大量に製作していたのも強く印象に残っています。亀甲竹は孟宗竹の変種で自然の造形です、同じ亀甲竹でもそれぞれが太さ、曲がり、亀甲の形など違いますので、すべて一品モノとして販売されちょりました。
また、竹虎は自分が大学4回生の夏に大火災にあい昔からの工場、店舗は全焼しましたので入社2年目の頃に新築となりました。その時にお取引の竹屋さんから本社前のスペースに植えるようにと頂いた竹も立派な亀甲竹でした。
わずか三ヶ月で20数メートルの高さにまで真っ直ぐに伸びる堂々とした孟宗竹、この竹の変種が曲がりくねった節を持つ亀甲竹とは少し不思議な気もするのですが、それは間口たったの1.5キロしかない谷間にか成育しない虎竹も似たようなものです。元々、淡竹(はちく)であった竹が原因は分からないけれど虎の模様が浮かびあがるなど、同様に自然の神秘を感じさせるものなのです。
虎竹は他の土地に植え変えると虎模様がなくなってしまい普通の淡竹となりますが、実は当社に植えていただいた亀甲竹も1年、2年、3年と目立った変化はなかったものの年々亀甲のコブが少なくなって遂には普通の孟宗竹に戻ってしもうたがぜよ。まっこと、竹とは面白いものなのです。
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