今日は7月7日、言わずと知れた七夕ですが、実はあの竹取物語の中で竹から生まれたかぐや姫の誕生日とも言われていて全日本竹産業連合会が30年前の1986年に「竹の日」として制定されています。そんな節目の日の日本唯一虎竹の里は梅雨シーズンとは思えないような快晴、にぎやかなセミの声が聞こえてきて夏日になりそうな気持ちの良い朝です。
虎竹の古里、焼坂の山から見下ろすと竹虎の工場も店舗も小さく見えます。新緑の山々に囲まれた目の前には須崎湾、その先には太平洋の雄大な水平線を見ることができて、本当にこの地域が狭いながらも南国の自然に恵まれた豊かな場所である事が分かるのです。
焼坂峠の標高が228メートルですので驚くような高い山々が連なる訳ではありません。この峠を越して反対側へ下っていくと不思議な事に竹は全く見られなくなりますので、虎竹は、山の内側にだけ成育しているのです。
なるほど海に向かって両手を広げて受け止めているような格好ですので、高知大学の先生が海風も虎模様が付く要因のひとつとお話しされていた事に頷けますが、ハッキリした事は解明されていません。分かっている事は土佐藩の時代から、この地の竹が珍重され地域の人々によって大切に守られて来たこと。
祖父や父からも、土地の古老や職人からも「誇り」を聞いたことはあまりありません。しかし、小さい頃から感じてきました。まだ大阪天王寺の竹材商であった初代宇三郎が珍しい虎模様に竹に心奪われてからわずか100年。虎竹の里は、その前からずっとここにあり、人の暮らしの共にあった事を竹の日の節目に思うのです。
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