少し前に中国は安吉県の「中国竹子博覧園」のお話をさせてもらったのですが、ここで印象的に覚えている竹のオブジェがあります。それは、高さが2.5メートルほどもあったですろうか?大きな鉄枠の中に同じ長さに切断した丸竹を積み上げたものでした。似たような太さの竹ばかり切ってその切断面を見せることによって、竹の太さの違い、形の違い、身の厚さの違いなどを視覚的に体感いただけるもので、これが広い敷地内の向こうまで仕切りの役目をしながら続いていたがです。
別段何と言うことのない簡素なものであると見逃しがちであるかも知れませんが、竹が身近でなくなった現在、もしかしたら目を見張るような経済成長してきた中国もそうかも知れませんが、竹に対する関心や認識が低くなっている時代の中だからこそ必要で面白い造作だと思うたのです。何気なく、これを見たお客様が竹の事をどこまでご理解いただけるか分かりませんが、多種多様な竹、同じような太さであっても一本たりとも同じ物の無い竹の事を伝えるために、この大きな鉄枠があるとしたら素晴らしいちや。
自分の小学校の通学路の近道は、このような竹の切口がこの何倍もの高さと幅で積み込まれた土場にありました。その頃は竹の伐採がナタが主流だったのか、その切口はほとんどがハス切りされて鋭利にとがっていた事をハッキリ思い出されます。積み込まれた虎竹は太さ別に積み上げられちょりました、しかし、この安吉県「中国竹子博覧園」の竹オブジェ同様に同じ頃合いのものなのに一本として同じものがなく、形も様々なのだなあと思いながら毎朝眺めよったものながです。
このオブジェに足をとめ、しばらく動けずにいたのは自分だけでしたが、そんな遠い日を懐かしく思い出していたのです。
コメントする