まっことオススメしたい手提げ籠がありますぞね。もし、竹の買い物籠をお探しの方がおられたら絶対にイチオシするのがこの真竹磨き手提げ籠ですにゃあ。元々は土佐の伝統的な竹職人さんの流れを汲む竹編みぜよ、飾りのない素朴さと使い勝手を考えた機能性は昔から磨き続けられて来た本物を感じる籠なのです。
磨かれたのは竹籠そのものでもあるし、また、竹ヒゴ自体も本当に「磨き」と呼ばれる加工をされちょります。竹表皮の皮部分を薄く薄く、まるで磨くように削っていて仕事最中の工房に入ると青竹の清々しい香りが充満しちゅう事があるくらいぞね。表皮を削ることにより自然の竹の色合いの違いやシミ、キズなどがなくなり編み上がった籠は本当に生まれたての赤ちゃんのようにのウブな表情をしちょります。この最初の頃の瑞々しい竹籠というのは、ほんの一時ですが何とも言えない竹の気持ち良さを感じて魅力的です。
ところが、この竹籠が時間の経過と共にこの青さが抜けていき落ち着いた色合いに変わっていくがです。徐々に肌色にかわり、こんどはこの色合いが濃ゆく飴色になっていきます。何十年も使われた籠の中には、まるで赤茶色に染めたのではないか?そんな風に思えるような渋い風合いになってくる竹もありますちや。
竹細工は、いえいえ竹細工に限らず自然素材全てに言える事だと思いますが、このような経年変色がひとつの大きな特徴であり素晴らしいところですろう。色合いだけでなく使う事による変形や、場合によってはキズやシミのようなマイナスのように思えるダメージさえも「味わい」として自分だけの竹籠のスパイスになってくるから不思議なものぜよ。特に磨きの竹籠は、この移ろいが早く分かりやすく、いつも身近にある籠だけにますます愛着が深まるのです。
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