こんな事をお話させて頂いても、もしかしたら普通の方にはそれほど関心の無い事かも知れません。けんど、あの太くて長い孟宗竹をこのように豪快にそのまま染め上げて籠に編みあげるなど、日本では他に見かけることは、まず無いがぜよ。
そもそも世界には1300種類の竹があり、日本国内だけでも何と驚くなかれ600種類の竹があると言われちょります。けんど、その中でも三大有用竹と呼ばれる竹があり「孟宗竹」、「真竹」、「淡竹(はちく)」の三種類がそれですが、普通の方が竹と言う時には日本の竹の9割を占める、これらの竹を指すと思います。
同じ竹であり、三大有用竹として言うなれば竹世界のトップ3のスター選手ですが、それぞれその性質は大きく異なるのです。三種類の竹の中でも編組(へんそ)と呼ばれる竹籠などの竹編みに一番多く活用されているのは量も多く粘りとしなやかさのある真竹であり、後は、淡竹(ちなみに虎竹も淡竹の仲間)など...。中でも孟宗竹は太く、身も厚いので丸竹のまま加工されたり、竹箸や竹しゃもじなどに重宝される事はあっても編み込み用の竹材として使われる事は、あまり例がありません。
仮に使われる事があったとしても、それは孟宗竹の丈夫さから竹籠の一部に活用する場合がほとんどではないですろうか。ましてや孟宗竹だけで籠を作るというのは本当に珍しく、編み上がった粗めの竹籠を見ていると、つくづく竹の世界は広く、深いと感じ入ってしまいますぜよ。
この竹籠達をトラックに満載して運ぶ姿は、こじゃんと(とても)目立っていましたので自分の小さい頃からたまに見かけていた光景です。竹籠なので重さはないものの、その代わりにカサが張りますので荷台にいっぱいに積み上げて走っていたのです。大人になって、日本全国あちこち行く機会があっても、あのようなトラックを一度も見かけた事はありませんにゃあ。
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