昨日の嵐のような雨がウソのように晴れ渡り気持ちの良い天気になりましたので運動会の玉入れ競技に使う玉入れ籠を天日に干すことにしたのです。青竹をそのまま使って沢山編み上げる籠です、先日編み上がった籠も旬の良い竹材ではありますが十分に乾燥できていないものもありました。晴れる日があればと思っていましたが、ちょうど今日は適度に心地よい風もあって絶好の天日干し日よりとなっちゅのです。それにしても南国土佐の太陽は有り難いぜよ、竹籠の陰があんなにクッキリと地面に見えています、これは短時間でも気持ちよく干せそうなのです。
自分の小さい頃には玉入れと言えば竹製が当たり前で他の素材で籠が作られるなど考えた事もありませんでしたが、それも昔の事。玉入れ競技に使われる籠もプラスチック製や布製のものが多くなって、ここでも竹製の籠が忘れられつつあったように思い寂しい気持ちやったがです。しかし、現代の子供達が竹製の籠を使う数少ないチャンスでもある玉入れ競技です、「今さら玉入れ籠など作ってもイカンぜよ」という職人さんの声もありましたが、このまま消えて無くなっていくのは何とも残念と思うてもし売れなかったとしても仕方ないと無理を覚悟で製造数を少しづつ増やしてきたがです。
そうすると、嬉しい事にひとつ、ふたつ...と竹製の玉入れ籠が見直されるようになってきたがです。職人の仕事は毎日、毎日、続けていくからこそ手業も上達し、スピードも上がってきますぞね。製造個数もそうですが、忘れかけていた編込みの技も数段にアップして、形、強さが両立した玉入れ籠ができていると思っています。もちろん、まだまだ満足できるようなレベルでもありませんが、いつだったか東京フジテレビのニュース番組「スーパーニュース」にも取り上げて頂いた事もあるくらいにはなってきましたぜよ。
竹製玉入れ籠は全国の幼稚園から小、中、高校など学びの場からのご注文がほとんどですので価格は意識的に安価に押さえて、お求め易いようにさせてもろうちょります。遠くにお送りする場合など、軽いものの、かさばって大きな段ボール箱でないと入りません。あれこれ考えますと、まったく利益のない商品とも言えますが、この竹籠との出会いが竹との初めての触れあいになるチビッ子も沢山いるのではないかと思うのです。
日本中に竹林(手入れされていませんので、多くが竹藪ですが)はあって、何処に行っても目にする事ができますけんど、人のために有効活用されている竹となると本当に少なく、竹林に近寄る機会のある人も想像するよりずっと少ないのです。未来を担う子供達の笑顔を、たとえ運動会の一日といえども竹籠が作る事ができるのなら道は決まっちょります。出来るだけ頑張って今のまま現状維持で続けていきたいと考えちゅうのです。
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