虎竹の里の筍の話

老舗うお嘉、小松嘉展、竹虎四代目


京都の筍は、やっぱり美味しいがです。この季節ならでは味を、せめて年に一度は頂きたいと思うて百年の老舗のうお嘉さんにお伺いさせて頂いていたのです。こちらの料理は芸術的なほど見た目にも美しく、美味しいがですが今回はお庭にも竹のアートが創作されていました。


一般的に筍と言うと、その大きさから孟宗竹が多いのではないかと思います。早い地域でしたら11月頃から収穫され12月には早堀筍として出荷され、京都では2月中頃からシーズンに入り5月まで楽しめるそうぞね。


筍さしみ


孟宗竹の他には、淡竹(はちく)、真竹など細工用としても活用される竹の筍も食用としても好まれちょりますがそれぞれ淡竹は4月から5月中頃、真竹は4月中頃から6月と筍の季節は微妙に遅くなっています。ちなみに真竹は少し苦みがある事から苦竹と書かれる事もあるがです。


それにしても筍の刺身などは、高知などではあまり食する機会がありません。けんど、それもそのはず、土の中にある小さく白い筍を掘るからこそ味わえる筍職人さん技ありの逸品ながです。


鏡煮


こちらの定番料理である鏡煮は絶品ぜよ。筍を煮付けるのはオーソドックスな料理法であるかと思いますが家庭ではなかなか味わう事のできない食感と味は、さすがに老舗筍料理の名店です。香りたつ季節の筍心ゆくまで堪能できるように思うがです。


地元高知でも職人さんから頂く筍は歯ごたえがありそれはそれで野趣あふれる感じは小さい頃から馴染んだ大好きな味わいぞね。山岸家にも祖母伝来の味の筍と豚肉の煮付けがあって大好きな家庭料理なのです。


イノシシの食べた筍


さて、所変わって虎竹の里には生えている竹は、ほとんどが虎竹であり孟宗竹は極端に少ないがです。この小さな谷間でしか虎模様が付きませんので杉や檜などの植林の代わりに虎竹を増やしてきた歴史のある土地柄なので、これはもちろん意識的に管理されてきた結果ぞね。


少しだけ植えられちゅう孟宗竹は、先ほど申し上げました通り虎竹などに比べて早く筍が出るのです。そしたら根元の当たりをガブリ...!いつなら地面に出る前に堀起こして食べるはずですが久しく何処か別の山に遠征に行っていたのか、なにせ一日に1メートル20センチも伸びる事もある筍の成長が思うより早かったのか、とにかくこの山の主であるイノシシ君が食べ散らかしちゅうがです。


まっこと困るものの、これだけ美味しい筍だから仕方ないと思うたり...色々と複雑な思いなのです。


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