有り難い事に全国のお客様から竹に関する色々なお知らせを頂く事があるがぞね。その中の一つに、文旦の皮むき竹棒というのがあります。名前は自分がそう呼んでいるだけですし、文旦に限らず他の大型柑橘類の皮むきにも使えるものなのですが、土佐文旦の生産地が周りにあって身近なので高知に暮らす自分達が使用する場合には、ほぼ文旦に限定されるように思っています。
実は以前にお客様から同じような竹棒のご連絡を頂いていた事があるのです。ただ、この時にはお客様の私物ですので形を確認したりする事はできますものの実際に使用する事はできませんでした。そして、今まで包丁を使っての皮むきに何の不自由も感じていなかった事、更にプラスチック製のムッキーちゃんという手軽な道具もあるようですので、この竹棒の良さを実感する事なくいたのです。
ところが、ひょんな事からこの竹棒を別の所から手にする機会があったのです。今度は実際に使ってみても大丈夫でしたので、もう今年のシーズンは終わってしまった文旦ですが、どうにか近くの農家さんに残ったものを頂いてきて一つ剥いてみましたら、これが想像以上に使いやすいのです。
竹製なので当然、手に馴染み、持ちやすく、包丁のように危なくないですし、プラスチック製のように味気ない事がないのが良いところです。やはり使うて見て初めて分かる事はありますにゃあ。自然の恵みの柑橘類を剥くのに、こんなに似合うモノが他にありますろうか?このような、ちょっとした道具ではありますが、竹のやさしさと強さを巧く活かした道具がどこのご家庭にも一つくらいあれば素晴らしいにゃあと思うほどなのです。
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