全国の皆様からの熱いご声援でスタートした日本唯一の虎竹自動車プロジェクトが少しづつ少しづつ進みよりますぜよ。当たり前の事ですけんど、主役の車が出来ない事には何ひとつする事ができませんぞね。試行錯誤の連続に次ぐ連続で、何度もやり直しを重ねながらも、おおよその形が見えるようになってきたのです。
今回の竹編みでは、複雑な曲線を表現していかねばなりませんでした。工場長があれこれ考えて、最後の最後に辿りついたのがヤタラ編み。ヤチャラ編みとも呼ばれる事のある乱れ編みで、様々な形に対応できる柔軟な編み込みぞね。やはり、これが一番確実に形を創っていける方法ですので、六ツ目編みの下編みの上を職人の感性で編み進めていくがです。
車の顔であるフロント部分はどうですろうか?元々、光岡自動車さんから到着して来た時にはこんな表情やったがです。そういえば、前途多難な道のりを暗示するかのように大雨の日でしたにゃあ...。
あのツルリとした顔が、今ではこんな虎竹編みの精悍な顔つきになっちょりますぜよ!これは、段々と男の顔になってきたと言うか、こじゃんと(とても)やってくれそうな車の顔ではないかと思うのです。
まっこと、自分達は地方の小さな竹屋ではありますけんど、全国の田舎、全国の零細企業、全国の手作り、モノ作りの皆様を代表して走りたいという大きな気概だけは持っています。まさに、そんな気持ちが、そこはかと漂う顔つきではないかと思っています。
フロントライトは一つだけ、このライトで誰も走った事のない道を照らしてもらうのです。選りすぐりの孟宗竹のカバーを取り付けましたぜよ。
雨の中を走ることも、もちろんあるがです。ボディは鉄のフレームと防水用の透明アクリル板で覆っていますが、その上を虎竹で編み込みます。
内側はどうなっているのでしょうか?細かい網代編みしたシート台座や、ヤタラ編みのシートに合わせて豪華で贅沢な内装を考えちょりますぜよ。
先ほどお話しましたアクリル板は専用の強力テープでしっかりと留めて長距離の走行に備えます。
これは、素晴らしい!やはり内装が美しいと気分が良く、運転にもゆとりが出来るというものです。自動車は数知れないほど走りよりますけんど、虎竹張りの内装の車など他にはありませんぞね!内側両サイドには切り返しで黒竹を使いました。
染籐も用意できちゅうぞね、最後の仕上げにはまだまだですがこの籐を使いだしたら、そんな遠からず日本唯一の虎竹自動車の製作は終わりを迎えそうです。お陰様で車の完成を待ち望む声を各方面から頂くようになってきました、ドキドキ、ワクワク、自分も気持ちの高まりを抑えながら、その日を待ち望みよります。
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