虎竹の鋏(はさみ)

虎竹鋏(はさみ)


面白い竹製品があるのです、それが虎竹の鋏(はさみ)なのです。「竹の鋏」と聞いてどのようなものを想像されますろうか?きっと金属製の鋏に竹の持ち手などがついた物か、それともハサミとは名前は付くものの全く形の違う意表を突いたデザインの物か、人によって色々と考える事は違うかと思いますが、このオーソドックスな普通の形をご覧になられていかがでしょうか?


オーソドックスと言うても、もしかしたら今ではこのような形のハサミは珍しいかも知れませんにゃあ。母や祖母の裁縫箱に入っていたり、内職のおばちゃんが日差しの中の明るい縁側で使っていた昔ながらの懐かしい形ぜよ。けんど、普通の何でもないような形だけに、ハサミとしての機能面はどうだろうかと心配になるかと思います。竹ならではの弾力を活かした動きの機能は予想できても、物を切るという一番大切な機能があるや?なしや?


ところが竹を扱った事のある方でしたら、この薄く削られた刃部分を見ればお分かりいただけるのではないでしょうか。竹虎では、剥ぎ竹と言って枝折り戸の枠を編み込む竹材を機械で取ることがありますが、薄く剥がれた竹は、まるでカミソリですぞね。特に竹表皮部分は竹でも一番強い箇所です、竹表皮が大事な虎竹は必ず表皮を残して剥いでいますので素手で油断して触ってしまうとスパッと指先を切る事もありますぜよ。


論より証拠、コピー用紙を実際に切っちょりますので是非一度ご覧いただければと思います。気持ちよくジョキジョキと切れていくのです。




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