フランス、パリの国立ギメ東洋美術館(Musee Guimet)に田辺小竹さんの竹を使ったインスタレーションが創り上げられちょります。田辺さんの大きな立体作品を、一番最初に拝見したのはもう4年前になろうかと思いますが大阪にある正木美術館のインスタレーション「天と地」でした。広間に広がる竹編みが天井にのびて更に広がっていく不思議な空間に、竹でこのような表現ができるのかと感じ入ったのです。その後、岐阜県美術館で更に広い空間を使って創作された「水の恵み」は、大迫力と造形の面白さに圧倒され、遂に今回のギメ美術館「五大」となったのです。
「五大」は、まず画像で拝見しました。しかし、今までの作品をこの目で直に観ているだけに、あの竹編みで6メートルという大きさ、絡み合うような複雑な造形、まだ観てもいない作品のはずですが想像するだけで観たくて観たくて仕方なくなってきましたぞね。けんど、それも、そのはずぜよ。正木美術館、岐阜美術館、そしてギメ美術館と全てのインスタレーションには虎竹の里の竹が使われちゅうのです。
「竹と言えば虎模様が入っているものだと思ってきた...。」
地元で生まれ育って当社に入社してくれた方からこんな言葉を聞いた事があるのです。自分達が、この竹と出会うた100年前よりもずっと昔から、この虎竹は地域の宝として愛され、守られ、藩政時代には山内家への年貢として献上されていた歴史のある竹です。しかし、この里で珍しくも何ともない当たり前の竹。
その竹がパリの美術館で超大作となって多くの人の羨望のまなざしを浴びる。自分達こそ、もっとこの虎竹を誇らねばならない、常日頃からいつも思っているなら、この作品は絶対に観なければなりません。4月13日から9月19日までの会期中には一度必ずお伺いしたいと心に決めちょりました。
ところが一般公開に先立ち、VIP、プレス、ブロガー、特別招待客等を招いた2日間のオープニングセレモニーがあると田辺さんから連絡が来ちゅうではありませんか!?ヨーロッパから竹に関心のある方が集まられる機会だろうし、作品をより堪能できるに違いないと思いながらも、とにかく一日も早く作品を拝見したくなって急遽予定を入れたのです。
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