「可使食无肉、不可使居无竹」

安吉県


安吉県は竹林のある里山から街に出てきても竹への親密度を感じますぞね。だいたい二十年ぶりでしたので、その間の中国の経済発展は目覚ましかったのではないかと思いますが、以前に何度かお邪魔した時とは随分と違うちょります。


大きなビルや建物が建って夜の明るさが全く違うように思います。街は華やぎスターバックスも二軒ほどあると言われていました。早朝に街を歩くと、こんな格好の良い竹のデザインのガラスを見つけましたぜよ。いくら街が大きくなっても、安吉が竹の街である事には変わりはないがです。


安吉県レンタサイクル


レンタサイクルは世界各地に置かれてちゅうようですが、ここ中国でも例外ではありません。上海のような大きな街だけかと思いきや、しっかり安吉にも置かれちょります。けんど、これは誰が利用されるがやろうか?やはり観光に来られた方ですろうか、そんな風に思うのは街中を地元の方々が電気自転車に乗って沢山走っているからなのです。


電気自動車


最初は音もなく軽やかに走っているので一体どうやって進んでいるのかと思いよりました。電気と聞いて、注意してみたら電気自転車ばかりではなく三輪車の自動車もあるようです。電気で、しかも同じ三輪車とは...ちょうど竹虎でも取り組み真っ最中の日本唯一の虎竹自動車を思い出します。


けんど、この国でこれだけ電気自動車など手軽な乗り物が普及していることを思えばこれからの高齢化社会を迎える日本、特に地方などでは、電気自動車は、もっと広く活用される事になっていくがではないかと考えるのです。今度の日本唯一の虎竹自動車プロジェクトは、そんな一助になったらエイですにゃあ。


中国安吉県ビル工事現場


おっと、目の前に建設途中のビルがあったぜよ。これは香港などで見られるように、足場はきっと竹組に違いない...そう思う近づいてみました。


中国安吉県ビル工事現場


なんと、黒と黄色に色塗りされた骨組みは予想に反して鉄骨でしたちや。けんど足場部分にズラリと並べられているのは割竹、さすが期待を裏切らんがです。


中国安吉県ポスト


ふと、ホテルの前のポストに足が止まりました。日本では赤ですが、中国では緑...むむむっ!これは竹では!?投函口の下には竹の節らしきものまであるではないですか!?


色といい、形といい、竹の産地らしい安吉県ならではのポストやろうと思って地元の方に聞くと、中国のポストはこんな緑色で丸いようです。しかし、そもそも昔の文字は割竹に書いていましたし、ポストが竹でも何ら不思議ではないのですが詳しい方がおられたら是非お聞きしてみたいものですぞね(笑)


中国安吉県料理


筍の豊富な地域です、食事にも当然旬の筍が沢山使われちょります。竹は「衣食住」すべてに関わって人の役に立ち、人の暮らしを助けてきちゅうがぜよ。高知にも細く四角い形をした四方竹という竹が近年人気となっていて、近くのスーパーに並ぶだけではなく、県外にまで出荷されたりしていますが同じようなシャキシャキした触感の煮付けも美味しく頂きましたぞね。


以前、何回か見学に寄せてもらっていた頃、あまりに食事が美味しく何でも綺麗に食べるので「日本から来る方で、あなたくらい中国の料理を食べる人を見た事がない」と通訳の方が言いよりました。食堂がないような山の中では竹職人さんのご自宅で食事を頂いた事もありますが、中国は、どこに行っても食べ物が旨い、まっこと毎日これでもエイくらいですにゃあ。


「可使食无肉、不可使居无竹」


さて、料理の話題になったところで今回の中国では素晴らしい諺に出会うたがです。それが、「可使食无肉、不可使居无竹」。どういう意味かと言うと「食事で肉がないのは許せるが、暮らしに竹がないのは許せない。」というような事らしいです。


肉とは贅沢品の代表としての揶揄かと思います、質素な料理でも良いけれど、竹のない生活は出来ない。それほど竹と人との親密な関係をずっと続けてきた中国です。いえいえ、中国だけでなく台湾や韓国、そして広く竹の分布する東南アジア一帯はひとつの竹文化圏ですろう。


昨日のブログでも申し上げましたが「笑」という文字は「竹」と「二人(あなたと私)」から出来ています。継続利用可能な唯一の天然資源である竹には、それぞれの国を繋ぎ、人々を笑顔にする大いなる力があるように思えるのです。




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