日本唯一の虎竹自動車のシート

日本唯一の虎竹自動車シート(bamboo car)


日本唯一の虎竹自動車で、ステアリングの他にあと一つ気にかかっているのがあるがぞね。それがシートぜよ。これも無いと人が乗る事ができませんきにゃあ(笑)元の車体となった光岡自動車Like-T3は、2人乗りです。バイク型のシートが二つあるのですが、これもそれぞれ虎竹で編み込んで竹の柔らかくもしなやかな感じをお尻からも体感いただけるように考えちゅうのです。


もともとクッション性のあるシートに竹を編み込みましたので座った感触は最高です。実は、これで完成ではなく、虎竹のヒゴをまだまだ使って仕上げていく途中なので、出来あがりはもっと違う感じになりそうぞね。


日本唯一の虎竹自動車シート台座


シートを取り付ける台座は工場長がヒゴ取りして編み上げた細かい網代編み。同じ厚み、同じ幅の竹ヒゴを規則正しく編み込む技法、それに対してシートの方は太めの竹ヒゴを使って職人の感性のまま編み上げるヤタラ編みながです。ヤタラ編みは又の名前を乱れ編みとも言います、このシート部分が出来あがりましたら、対局にあるような竹編みの技の対比も一つの見所になることは間違いないですろう。


日本唯一の虎竹自動車シート、竹編込み下地


シートには背もたれも付いちょります。そこにも竹のあしらいをせねばなりませんので、まず下地となる編み込みを作ります。


日本唯一の虎竹自動車シート背もたれ


熟練の竹職人さんも、さすがにこのような仕事はやった事がないがです。手探りで試行錯誤しながらの製作ぞね、一端出来たかと思うたら、やはり気に入らずに最初からやり直すことも一度や二度ではないと言われます。本当に初めての竹仕事というのは大変、けんどそれだけに作り上げた時の感激や周りの皆さんの喜びも大きいのではないかと思っています。


日本唯一の虎竹自動車シート編込み竹職人(bamboo car)


下地の編み込みに竹ヒゴを差していきます。ヤタラ編みは設計図のようなものがあるワケではなく、編みながら形ほ整えて作り進めていく職人のカンと経験がものを言う編み方です。確かに難しい仕事ではありますが職人さんの頭の中には、ある程度形作られたものがあるようぜよ、手早い仕事ぶりを拝見しながら完成もそう遠い事ではないと嬉しくなってくるがです。


日本唯一の虎竹自動車シート竹ひご(bamboo car)


何気なく見ていると分からないのですが実は虎竹竹ヒゴは全て二枚になっちょります。薄い竹ヒゴを更に半分に割る事により、しなやかな竹を更に柔らかく使う事ができ、強度のある竹製品にする事ができるがです。今回の日本唯一の虎竹自動車には、このような外からは伺い知る事の出来ない伝統の竹の技が沢山隠されちょります。その秘密のベールを脱ぐ日はっ!?


大袈裟に言いよりますが、南国土佐は今日などすでに初夏のような陽気ちや。オープンカーのごとき日本唯一の虎竹自動車が疾走するには良い季節になろうとしています。


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