竹の表皮を薄く剥いで加工する技術を「磨き」と言うのですが、この磨きの竹細工は昔から生活の中で使われる籠に多用されてきました。表皮をつけた場合に比べて経年変色に特有の渋さがあり古い竹籠なら「何かで染色したのではないですか?」と聞かれるくらい美しい変化をしているものもあって新品より価値が高いくらいぜよ。
ただ、竹虎にある竹製品でも磨きの技を使う竹の場合には、その大半が真竹であり加工も職人が刃物を使い削って手作業でするのが普通です。こちらの竹工場のように大きな孟宗竹を機械で自動的に削るというのは本当に珍しいかと思うがです。まず、竹を金属製の丸い穴に入れてガッチリと固定させます。
職人さんが、おもむろにスイッチを入れると竹を挟んだ二枚の刃が音をたてて前後に動きだすがぜよ。なるほど、見る見る竹表皮が削られていきます。
竹は丸いと思われがちですが決して丸いものではなく、形はそれぞれ違いますし、一本の竹でも元は太くウラ(先端)に行くほど細くなっています。一番の難題は堅い節があることだと思いますので、恐らく微調整は頻繁に必要な事もあるのかも知れませんが、それらの問題をクリアして動き続けている磨きの機械は本当に素晴らしいと思うのです。
コメントする