昨日は竹ざるの強さ、耐久性についてお話しさせて頂いたがです。竹ざるが30年も40年も、いやいやい場合によっては50年も使えるなど少し大袈裟に聞こえるかも知れませんが、新しく編みあがってきたこの淡竹の竹ざるの美しさをご覧いただきたいのです。
「ほっ~ぉぉぉ」
ご覧になられた皆様の、ため息が虎竹の里まで聞こえてきそうですけんど見た目の端正な作りだけでく手に触った質感、持った時の手に伝わるグッとくる重さ、編み込みを指で押した時の堅牢さ、実際に確かめていただけないのが残念な一枚ぜよ。
幅広の芯部分には孟宗竹を使い、自らが山に分け入りコレと選んだ淡竹(はちく)でギッチリと編み込んだザルは、ただ丸いだけ、ただ竹を使っているだけの竹ざるとは異次元と言うても決して間違いではないですろう。子供の世代や、もしかしたら孫の世代まで残りそうな強者なのです。
確か13年前だったかと思いますが、製作して職人さんが何故かそのまま納屋に置いていた網代編みの竹ざるも年期を感じさせる渋い色合いにはなっちょりますが新品同様に使えそうな程、時間を経過を全く感じさせないがです。
そう言えば、ひとつ思い出す竹編みがあるがぜよ。希代の名人が、名人と認めて目標としてきたと聞くそれは、飴色を通り越して、焦げ茶色になった色合いは、一体どれくらい前のものか分からない位の竹ざるです。
縁部分を新しい竹で修理している所を見ると、ずっと使用されてきたモノに違いないと思うのですが大切に扱われてきたのが伝わって来ると共に、熟練の職人が編み上げた製品が長く長く使う事ができる、まさに生き証人のように思えるのです。
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